文体ライト系、完全プロット型。
スティーブン・キングの長編第三作。
書きたい初心者には、完全プロット型で学ぶより他に仕方がないように思える。
ホラーだから怖いというよりも、
たまに出てくる冗談がオモロかったりする。
(下刊冒頭に出てくる”長期滞在者”という表現とか)
登場する亡霊として、「犬男」がオイラのお気に入り。
両刀遣いの男性亡霊に惚れてしまい、「犬男」はこき使われる。
哀れな笑いがそこにあったりする。
現代が舞台の真面目な小説だと暴力を描くのに苦労するが、
ホラーやファンタジーだと、設定次第で何でもできる。
ある意味で自由。
三人家族のあいだで生じる心的葛藤の編み込み方など、
勉強になる。
★「シャイニング 上・下」
スティーブン・キング著 深町眞理子訳 文春文庫
総じて、なかなかオモロイ作品ではあったが、
「新宿鮫」ほどではなかった。
人間というのは、一度占めた味を忘れることは難しい。
「新宿鮫」のレベルが、きっと高すぎるのだろう。
(他の小説が、気の毒になってくるくらい)
なので、オイラにとってエンタメランキング1位は、
いまだに「新宿鮫」なのだ。
*
解説に、桜庭一樹が書いていた。
彼女の作品を一度も読んだことはないのだけれど、
「イケメンは絶対に信用できない」
という” 嬉しい ”発言をネットで発見したことがあるので、
実はオイラ、彼女に密かな好意を抱いている。
いつだったか稲垣吾郎のTVに出ていて、桜庭の自宅職場が映った。
ものすごい書籍の山になっていて、驚く。
彼女がどんな作品を書くのか、知りたいと思う。
PS:作中に「かがやき(a shine)」という言葉が出て来る。
テレパシーのことを意味しているようだ。
翻訳者の親切なのだろうか、括弧書きで
「a shine」には「黒人」という意味もあると書いてあった。
(下刊P.192)
「shinshin」というオイラのハンドルネームに似ているので、
気になるのと同時に、最近はまっているChaka Khanのことを想った。