コーセー株は直近の高値からほとんど調整していない(7/8日の年初来高値からの調整は6%程度)。今日も朝方こそ売り込まれたが後場には前日並みに戻った。ブランド力の工場、訪日外国人による販売好調などで上方修正期待は高い。いや、今期の上方修正は確かだとは筆者も思う。
しかしだ。会社見込みの営業利益240億円、EPSが245円がコンセンサス並みの営業利益270億円、EPS277円を達成できるとしてもPEは38倍。PBRは4倍超え。会社が2020年に目標としている売上高2500億円、営業利益300億円を早期(17年3月期)に達成するとしてもPEは34倍。バリュエーションは過去最高といっていいほど高い。
JPモルガンでは今月3日に新規「買い」で目標株価12500円などといっているが、これも今年6月までの販売好調を織り込んだもの。このまま快調が続くとは信じがたい。中国の爆買いは明らかに下火になってきている(中国株式時価総額の400兆円が吹っ飛んだのだから)。化粧品は水分がほとんどで、文字通り「水もの」である(蒸発してしまわないことを願う)。
適正株価はせいぜいPE30倍の9200−9300円といったところだろう。バリュエーションを無視した外資系証券会社のレポートに踊らされてはいけない。