ギリシャの国民投票は日本時間の6日午前1時頃に締め切られる予定で
泣いても笑っても、およそ12時間後には結果が判明します。
散々ギリシャネタで日記を書かせて頂きましたが、最後にギリシャ問題の顛末をまとめて置きます。
先ずは2001年1月1日のユーロ加盟がギリシャ転落の始まりだったと思います。
無論同様の考えを記した著書やレポートは数知れず存在し、小難しい話ばかり書かれていますが
要は「隣の芝生は青く見える」と一緒で、欧州最大の貧困国と言われていたギリシャにしてみれば
ユーロの統一は一躍裕福になれるチャンスであり
こんな美味しい話は過去に一度も例を見なかったと思います。
そこで何が何でもユーロに加盟したかったギリシャは
G.S(ゴールドマン・サックス)の悪魔の囁きにまんまと乗っかり粉飾に手を染めたという訳です。
ところで、ユーロに加盟出来る条件として、国の債務残高がGDP比60%以内であること
財政赤字がGDP比3%以内であること、もしくはそれが可能であることを証明する必要がありましたが
実際には、債務残高は国内総生産の113%に上り、財政赤字もGDP比13%に膨らんでいました。
そこでギリシャ政府は粉飾決算を画策し、それを助けたのがゴールドマン・サックスでした。
その時の貸借契約にはカレンシー・スワップ(通貨スワップ)が使われたのですが
*カレンシー・スワップとは・・・・・
二当事者が異種通貨間で金銭債権債務の元利相当額に係る将来のC・Fを交換する取引。
異種通貨間での将来の金利と元本を交換する取引であり
スタート日と満期日に元本を交換するのが大きな特色。
つまり、ある通貨を担保にして、別の通貨を借りるためのデリバティブです。
実際にG.Sが行ったカレンシー・スワップは、最初に設定する為替レートを
直近のスポットからかなり離れたものにするという内容だったそうです。
つまり、100億円の担保に対して、1億ユーロ貸すところを、例えば2億ユーロ貸す。
その代わり満期までの金利で、最初のズレをギリシャに支払わせるという契約ですが
EUの財務ルールは、最初に余分に入ってきた金額はそのまま現金として扱い
デリバティブによる将来の支出は債務残高に含めなくても良いというものでした。
ですからギリシャは、いわゆる「債務の飛ばし」を行ったことになり
国が粉飾決算に手を染めるという前代未聞の犯罪行為を犯してユーロに加盟したことになります。
結局G.Sは想定元本1兆円ほどの取り引きで、数百億円の利益を上げたとされています。
しかも、その後のギリシャ危機(G.Sは事前に認知していた)で、為替や株取引は勿論のこと
ギリシャ国債のCDSの自己勘定取引でも一儲けしたと言われています。
因みにギリシャとG.Sの取引は、最初にギリシャが余分に現金を受け取り
後に大きなマージンを乗せてG.Sに返済するというものでしたが、
結果的に公的資金の注入や、金融システムの崩壊を回避しようと世界中の政府が支援したお蔭で
G.Sを初めとする世界の投資銀行の利益は守られることになったのです。
しかし良く考えてみれば、ギリシャに注ぎ込まれた支援金には
日本も含め世界中の血税が使われています。
にも関わらず、チプラス首相はEUから迫害を受けているかの様な言動を繰り返し
自分自身を正当化するために国民を扇動しているに過ぎません。
まさに最悪の国家に最悪の政権が誕生しことを、ギリシャ国民は早く気付くべきだと思います。
さてギリシャネタはもうこれくらいにして置きます。(後は開票結果を待つだけなので)
日記に目を通して頂いた方やコメントを頂いた方々には心より御礼申し上げます!<(_ _)>