[アテネ 28日 ロイター]
欧州連合など債権団が突き付けた緊縮財政要求に対して、ギリシャのチプラス政権が打ち出した国民投票の実施計画は、ギリシャをユーロ離脱につながりかねないデフォルトの瀬戸際に追い込んだ。
このショック療法に対し、ユーロ支持派の野党からは激しい反発が起きた。政党間の話し合いが相次いだことで、ギリシャをユーロ圏に残留させるさまざまなシナリオについての思惑が広がった。
7月5日に予定されている国民投票をめぐり、取沙汰されているギリシャの選択肢は以下の通り。
<国民投票が低投票率に終わった場合>
ギリシャの国民投票は法的拘束力がなく、「国民の意思を問う手段」とみなされる。成立に必要な最低投票率は40%。投票率がこの水準に達しない場合は、国民の意見が聞き取れなかったと解釈され、投票結果は棚上げされる。
<国民投票の結果が債権者団の改革案を受け入れた合>
ギリシャ政府は国民に対し、債権者団の改革案に反対票を投じるよう勧告した上で、それでも投票結果は尊重するとしている。しかしアナリストは、政府がこれほど強く反対してきた改革を実行するのは政治的にほぼほぼ不可能だと指摘する。
この場合、チプラス首相は辞任し、総選挙を実施することになるという。
<「国民結束」政権の発足>
国民投票の結果が「イエス」となり現政権が崩壊しても、自動的に総選挙の早期実施とはならない。
チプラス首相が辞任する場合、大統領は各野党党首に少数野党政権の結成を呼び掛けることが可能だ。中道のポタミ、中道左派の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)、右派の新民主主義党など親ユーロ派政党による超党派政権を設立し、国民に受け入れられた改革プログラムを実行する運びとなる。
<国民投票の結果が債権者団の改革案に反対となった場合>
国民投票の結果が「ノー」となれば、ギリシャは債権団との交渉力が強化されるとギリシャ政府高官は話す。ただユーロ圏の高官は、ギリシャ支援提案は6月30日に無効になると表明している。
国民が「ノー」の審判を下せば債権者からの追加支援はほぼ確実に断たれ
ギリシャは混沌の中に投げ出され、ユーロ圏からの離脱が加速する。
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ギリシャ国民はユーロからの離脱を決して望んでいないという報道を良く耳にしますが
それが事実であれば、国民投票が行われた場合投票利率は相当高くなると思います。
また、万一ギリシャがユーロを離脱することになってもその影響は限定的で
世界の金融市場は少しばかり過剰反応を起こしている様な気がします。
因みに、ギリシャがユーロを離脱すれば、スペイン・ポルトガル・イタリア等の重債務国に
同様の動きが波及する恐れがあると再三指摘されていますが
ギリシャがユーロを離脱した後に起こるであろうハイパーインフレ等の修羅場を見れば
逆に何としてでもユーロ圏にしがみ付きたくなるのではないでしょうか。
つまり離脱してもしなくても、EUにとって殆ど大勢に影響は無いと考えれば
最終的にギリシャは緊縮財政を受け入れユーロに止まる選択をするのが最善の方法だと思います。
お蔭で今日の日経平均株価は、前日比-596円というほぼ安値引けで終わりましたが
個人的には-2%程度を想定していましたので、やや下げ過ぎではないかという印象です。
ですから、今晩のEUに特別な動きが無ければ明日自律反発することは充分考えられますが
今週は7月1日の日銀短観、2日の米雇用統計といった重大なイベントが控えているうえに
ギリシャが予定通り7月5日に国民投票を行うことになれば
東京市場は週末にかなりの手仕舞い売りが出ることも予想されます。
日経平均が600円も下げると、ついつい買いたい銘柄の誘惑に負けそうになりますが
短期リバ狙いも極力持越しは避け、台風が通過するのを待つ方が賢明だと思います。
<上海総合指数>
上海総合指数は利下げを歓迎し前場は反発して始まりましたがその後急落。
前場の高値4297.48pt(前日比+2.5%)から後場の安値3875.05pt(前日比-7.58%)まで
1営業日で実に10%以上のナイアガラ状態となりました。
大引けは4053.03pt(前日比-3.34%)でしたが
5月に付けた高値から既に21.7%下落しており、今後の動向に注目したいと思います。