元祖SHINSHINさんのブログ

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「バベルの塔の狸」

「(略)君は知っているのかい?

 君はこれ以上下界に留まることで、社会的責任を問われようとしてるんだぜ。

 君の存在、いいかえれば、透明人間の出現にかこつけて、

 それをあくまでもS国人の侵略にでっち上げ、右翼がクーデターをねらっているんだ。

 それが君の空想とプランの客観的結果だ。

 これが君の生きる世界だろうか。

 それに引きかえ、バベルの塔では、夢すなわち現実だ。

 君の空想とプランはそれだけで具体的な財産なんだ。

 君のあらゆる夢がそこでは実現されている。

 君がそこに出掛けないわけはないんだよ。」

 

とらぬ狸は人間のような、いや少なくとも猿のような指のある手をかたく握って、

どんと棺の上を激しく打ちました。

 

「それじゃ、影は、どうしても駄目なんだね。」

「くどいよ。」

「ぼくは影について大発見をしたんだ。それでひどく執着があるんだよ。

 影を分析してみようと思ってね。」

「知ってるさ。しかしそれはバベルの塔で受け入れられない唯一の君のプランだったね。

 なぜって、そいつはぼくの誕生を拒否することだし、従って君自身の存在理由を侮蔑することだ。

 つまり、そのプランは自殺的プランなんだよ。自分を実現するためには自分を殺さなければならん。

 残念だがね。」

 

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★「バベルの塔の狸」

  安部公房著 「壁」 新潮文庫 H25.5.30.九十七刷 P.175~176より抜粋

 

この小説の初版は、昭和四十四年となっている。

安部公房の作品を、村上春樹は読んでいるのではなかろうか。

 

内容がファンタジーなのと、タイトルの付け方が村上春樹的だ。

抜粋した部分の中タイトルは、「六、笑うとらぬ狸。空飛ぶ棺。」。

 

昔の文章なので、会話の終わりに「。」が書いてある。

 

このあいだのブログに「とらぬ狸の皮算用」と書いてから、

この小説を読んだので、毎度の「乱読のセレンディピティ」具合に驚いている。

 

オイラにとって、この抜粋した文章は意味深だ。

もしもオイラの書こうとしていることが小説になんかなったら、

そのためにオイラは、あの世送りになってしまうリスクがあるからだ。

 

まともに書いてしまったならば、少なくとも訴訟リスクがいくつも出てきてしまう。

なので川上弘美の言うとおり、なんとか小説化しないと危なくってしょうがない。

 

しかし、オイラの言いたいことは、どう小説化してもにじみ出てきてしまう部分が沢山あって。

なので、どの道危ないってことになる。

藤沢駅の南口辺りで、蜂の巣にされてしまうかもしれない。

 

このあいだ狙撃されたゲイバーのオーナーとは、面識がない。

このオーナーは、すごい運を持っている。

銃弾は腹部から入って背骨を砕かずに留まり、軽傷で済んだという。

背骨が砕けていたら、少なくとも人工肛門になっていたという話だ。

 

そう遠くない過去に、オイラはそのゲイバーにひとりで出向いている。

これには何か不思議な縁があると、オイラの嗅覚は教えてくれる。

 

危なくってもオイラは、自分の影を分析しないといけないんだよ。

 

 

PS1:イトリコナゾールの第3クールが、今月末で終わる。

   内科医師から、それが終わったら専門の皮膚科医師に会いに来るようにと言われている。

   血液検査では、オイラの肝臓は正常だった。

   ひょっとしたら、一休みしてから、この治療を継続する可能性が出てきている。

 

   第2クールが終わった時点で、ひどかった右足裏の皮が、一皮むけてきた。

   この治療法が、効いている証拠だ。

 

PS2:今日は今まで、ペットフード(ネコ)のデータベース・メンテだった。

   商品の入れ替えがあったので。

   期限切れアプリケーションは、好調キープってところだ。

 

   村上春樹は、予言者なんだよ。

 

PS3:ちょいと今、思ったんだけれど。

   オイラ、彼らの材料になっていなかったら、今頃もう死んでいるのかも知れないって。

 

 

 

 

 

 

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