私は、世界三極(欧州除く、中国、米国、日本)がキー・プレイヤーと見ていますが、
それぞれ、密接に絡んでいます。
①4月の中国株急伸 関連ニュース・・5/1ロイター
②4月の中国製造業PMI 50.1に安堵・好感するNY市場 ニュース・・5/1野村証券NY
をお届けします。
①4月の中国株急伸で意表つかれた投資家、
新興国戦略練り直しか
2015年 05月 1日 15:30 JST
[ロンドン 1日 ロイター]
- 4月の中国株式市場の大幅上昇で意表をつかれた投資家は、
さほど魅力的な投資先と見込んでいなかった新興国市場の戦略再考を迫られるかもしれない。
中国の上海総合指数 は4月に18.5%上昇し、滬深300指数 も17.3%高を記録、昨年12月以来の大幅な上昇率となった。また、両市場の時価総額は昨年9月から倍に拡大しているほか、MSCI中国株 は年初から30%近く上げている。
こうした中国株の急上昇を背景に、MSCI新興国株価指数 の4月の上昇率は7%に達し、S&P総合500種 の上昇率を2012年以降で初めて上回った。
<中国株高で予想外の損失>
多くのファンドマネジャーは、こうした中国株の急上昇を見込んでいなかった。JPモルガン・アセット・マネジメントのクライアント・ポートフォリオ・マネジャー、エミリー・ウィティング氏は「運用担当者の多くは、中国株の上昇で大きな打撃を受けた。少しも予想していなかった上昇だ」と述べた。
その結果、ゴールドマンの試算によれば、今年は新興国株式ファンドの2割、日本を除くアジア株ファンドの4割しかベンチマークをアウトパフォームしていない。過去5年間の平均6─7割とは対照的だ。
「中国への投資比率を低くしていたファンドマネジャーには、中国株の上昇を補う代替手段がほとんどなかった」とゴールドマンのアナリストは指摘する。
新興国株式市場のパフォーマンスは2010年末以降ずっと、先進国市場のパフォーマンスを下回っている。そのため、投資ファンドは新興国市場への投資に消極的だった。
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは先月、今後1年新興国市場のポジションを「アンダーウェート」に引き下げ、4月にはさらにポジションを縮小した。
新興国市場の中でも、中国への消極的な投資姿勢が特に目立つ。ゴールドマン・サックスが運用資産1兆ドル以上の投資家を対象にまとめた調査では、3月末時点で中国への投資配分は、ベンチマーク指数で同国が占める割合よりも6%ポイント低かった。
ファンドマネジャーの中国に対する弱気見通しの背景には、過去10年の高成長時にリターンがさえなかったことがある。
<新興国市場の転換点か>
ただ、中国経済の減速を背景に景気刺激策が見込まれるなか、金融緩和による資金供給が米国の金融引き締めの影響を和らげるとの見方もある。
4月の預金準備率引き下げでは、1兆元(1610億ドル)の資金供給が見込まれていた。また、クロスボーダー・キャピタルは、中国国内の流動性は昨年10月以降2倍に拡大したと試算。こうした資金が株式市場に流入しているほか、他の新興国経済へ波及効果をもたらしている、と指摘する。
ウェルズ・ファーゴ・アセット・マネジメントのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、アンソニー・クラッグ氏は「新興国市場にとって大きな転換点かもしれない」と述べ、「中国が好調になるだけでなく、それが新興国にも伝わり、全般的な見通し改善につながる。投資家は慌ててエクスポージャーを拡大している」との見方を示した。
ゴールドマン・サックスは、新興国市場ファンドが中国の見通しをニュートラルに変更すれば、260億ドルの資金供給が見込めると試算する。
<根強い警戒感>
一方で、企業収益が依然伸び悩んでいることなどから、投資家の間で慎重姿勢も根強い。1株利益(EPS)をみると、中国企業の業績に回復の兆しはみられない。
さらに、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)でハト派的スタンスが示され、第1・四半期の米経済成長率が弱い数字になったにも関わらず、新興国市場の株価が上昇しなかったことは、米利上げ再開に対する警戒感が投資家の間で根強いことを示している。
モルガン・スタンレーは、MSCI新興国株価指数とドル指数は逆相関関係があるとし、最近の同指数の上昇は、米ドルが3月ピーク時から6%下落したことが一因だ、と指摘する。
米利上げ再開時期が近づきドル高が進むにつれ、新興国市場への圧力が再び高まる可能性がある。
(Sujata Rao 記者、翻訳:伊藤恭子 編集:加藤京子)© Thomson Reuters 2015 All rights reserved.
2015/05/01:現地日付
本日のポイント<株式市場>
中国4月製造業PMIが50.1と予想を若干上回り、中国経済への懸念がやや後退。また、インテル(INTC)によるアルテラ(ALTR)買収提案が再開したとの報道と、モンサント(MON)がシンジェンタ(SYTGY)に対して再び買収を打診したとの報道が流れたことから、市場にはM&Aへの関心が復活。これらを背景に、NYの主要指数は反発して寄り付いた。午前10時発表の4月ミシガン大学消費者信頼感指数は95.9、同時発表の4月ISM製造業指数は51.5といずれも予想をやや下回ったが、市場は米国経済の穏やかな成長基調に変化はないと見て、買いスタンスを維持。企業業績はまちまちながら、レッグ・メーソン(LM)、CVSヘル ス(CVS)などの堅調な決算で市場センチメントが維持され、更に企業の再編統合の動きが思惑を誘い、午後には市場の騰勢が加速。消費循環、素材、テクノロジー、金融などがそろって堅調に推移し、結局、主要指数はほぼ高値引けで終了した。ダウ平均は+1.03%、S&P500は+1.09%、ナスダック総合は+1.29%。セクター別では、素材が+1.75%、テクノロジーが+1.47%。他方、通信が唯一マイナスの-0.28%。個別では、上記のアルテラ(ALTR)が+9.79%。レッグ・メーソン(LM)が+4.25%、CVSヘル スが+1.18%。また、ウェスタン・ユニオン(WU)が、昨日引け後発表の決算が予想を上回り+4.78%。一方、ファースト・ソーラー(FSLR)が、昨日引け後発表の決算が予想を下回り-3.90%。フローサーブ(FLS)も、昨日引け後発表のQ1EPSが失望となり-3.21%。
<債券・為替市場>
新興国ETF ・・ETFの森
http://558110.info/shinnkoukoku-kabushiki.html