香港株式市場の時価総額が日本株市場に迫り、初めて世界3位となる可能性が高まっている。
ブルームバーグ・データによると、香港 証券取引所に上場している株式の時価総額は米ドルベースで
4月10日に4.9兆ドルとなり、日本株 の5兆ドルに接近。
日本を上回れば、米国の24.7兆ドルや中国の6.9兆ドルに次ぐ規模となる。
米ドルベースの1日当たりの売買代金では、香港は8日から10日まで3日連続で日本を上回った。
【以上ブルームバーグニュースより】
また上海総合指数も昨日4475.99ptまで上昇し
昨年4月の終値2020.36ptから、何と2.2倍に跳ね上がっています。
ところで、香港市場の株価が上昇している理由として
昨年11月に上海取引所との間で、株式の相互注文取り次ぎプログラムがスタートしたことや
日・米・欧州株と比較した場合の割安感(上海も同様)などが指摘されています。
(参考:世界の主要市場PER)
香港(ハンセン)13.63倍
ダウ16.26倍、ナスダック22.30倍、日経平均19.09倍(円建て換算18.91倍)TOPIX153.75倍
英国(FT100)16.94倍、ドイツ(DAX)15.52倍、フランス(CAC)17.08倍、上海総合18.40倍
さらに香港ドルは米ドルとのペッグ(連動)制を採用しているため
円が過去2年間に対ドルで17%下落したのに対し、香港ドルは米ドルと変わらないことも
ドルベースで日本の時価総額に肩を並べた要因だと思われます。
次に上海総合指数が続伸している原因は三つあると考えられており
最大の理由は経済の減速による金融緩和への期待だと言われています。
中国人民銀行は昨年11月、2年4カ月ぶりに銀行の貸出基準金利と預金基準金利を引き下げました。
具体的には1年物貸出基準金利を40bp、同預金基準金利を25bpそれぞれ引き下げましたが
それでも景気の減速に歯止めをかけることが出来なかったため
今年2月28日に追加緩和に踏み切ることを発表。(貸出及び預金の基準金利を25bp引き下げ)
その結果「景気が悪化すればさらに利下げが実施される」という期待感が膨らんだ様で
どうやら景気減速が株価の急上昇に繋がったものと思われます。
二つ目の理由は、政府が1兆元の地方政府債務の借り換えを認める方針を出したことで(3月12日)
地方政府の財政不安が和らいだと同時に
李克強首相が、さらなる景気刺激策の用意があることを示唆したためだと言われています。
三つ目は、アジアインフラ投資銀行に、英国などの先進国が参加したことで
中国への信認が高まるとともに、中国のインフラ関連企業への恩恵が期待出来ることも
株価の上昇を後押した大きな要因だと考えられています。
東京市場も日経平均が2万円を超え、大いに盛り上がっていますが、別に日本が特別という訳ではなく
改めて周囲を見渡すと、世界的な株高の流れが益々強まっていることが分かります。
そして、こうした流れが続く限り、日経平均株価は3万円を目指すことになると思います。
