やっと20,000円を超えて、世間が沸いたようです。受け止め方はいろいろでしたが、私としては、マスコミの報道に注目しました。株価の上昇がもたらす功罪のどちら側についているのか、反応を知りたかったのです。
株価の上昇と景気とのずれを指摘する報道はありましたが、従来なら株価の上昇で広がる経済格差や、持たざるものの僻みといった捉え方は少なく、おおむね株価の上昇を好感する論調が多かったように思えます。
ようやく株価が、その国の経済力の指標となることが、政治の世界でもあたりまえと思われるようになったのです。株式を所有することで資産を増やし、経済を発展させ、それが国の力となり、国民を豊かにするということが、広く認識されるようになったとの思いです。これこそアベノミクスの最大の効果だといわざるをえません。
格差問題を論じるならば、どうして若いうちから株に親しんで、資産を増やし老後を豊かに暮らそうとしないのか、残念といわざるをえません。老人破産とか、生活保護世帯の増加とかいった問題が論じられるときに、きまって問題を政治にすり替えようとするのはなぜでしょう。
今回も、20,000円越えが、官製相場だという意見もありましたが、官製相場がなぜ悪いのか。そもそも、経済は政治が作るものです。今回の安倍政権復活も、民主党の失政の結果にほかなりません。政治と経済は一体不可分のものです。安倍さんも、長い雌伏の最中に、このことに気が付いたのだと思います。この点が変わらない限り、この相場は長続きします。
あの中国や韓国でさえ、国が株価を意識し、株価の上昇を影の政策にしようとしているのです。中国寄りのマスコミも、この点には目をつぶることができなかったようですが、最近の政府のマスコミ対策が功を奏したことも事実です。
もしあなたの資産が、この2年半のあいだに、倍以上になっていないようでしたら、あなたは、アベノミクス相場に乗り遅れ、またとない貴重な時間を浪費したことになります。難しい理論におぼれ、単なる幸運の結果にしか過ぎない成功体験をコピーし、ひとかどのプロになったつもりの投資家では、この恵まれた投資環境では、やってゆけなかったのです。
20,000円乗せはゴールでもあり、新しい相場への出発点でもあります。この機会に、もう一度、相場観と投資方法を見直し、新しい波に乗られるよう期待しています。
時間はあるようでない大切な資産です。この資産を無駄に使われることのないように……。