今年の市場は、イベントとしては、年後半の２ヶ月に集中しているようにみえます。
年初から１０月までは、１６,０００円から１４,０００円のレンジ相場でしたが、１０月の３０日に、日銀の追加金融緩和とＧＰＩＦ改革とが発表されると、情勢は一変し２,０００円の上昇相場となりました。為替も１１０円の壁を一気に抜けて、１２０円までの円安トレンドが形成されたのです。
サプライズは、これで終わりかと思っていたら、今度は１１月の勤労感謝の休み明けに、内閣総辞職と１２月１４日の総選挙が決まり、政局がらみの相場に変わってしまいました。解散の大儀がないとの批判をよそに、安倍首相の与党連合は議席の３分の２をえて、アベノミクス相場は今後４年間信任される見通しとなりました。
相場の動きだけを追っていると、確かに、後半勝負のようにみえるのですが……。
相場の変調は、年初からあったように思えます。その証拠は、私のファンドにあります。
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私は、「富士山初日の出」という名のファンドを運用しています。本年の成績は、次の通りです。
所有株の時価評価額： 年初より４５％増加
年間受け取り配当金： 昨年比１８％減（信用取引分を含めた手取り）
キャッシュ・フロー： ファンドから年間配当金相当額を受け取り
株数の増減： 昨年比４.５％増加
銘柄の入れ替え： なし
投資環境： アベノミクス相場継続、証券増税、日銀のＥＴＦ購入継続、年金基金の株式購入比率引き上げ、内閣総辞職と総選挙、アメリカ経済の好調と金融緩和の縮小、原油の大幅値下がり
昨年は、日経平均が５７％上がりましたが、私のファンドは２７％に留まりました。相場の読みは当たりましたが、構成するポートフォリオが相場を牽引する業種でなかったため、日経平均に大きく負け越してしまいました。ＥＴＦを購入し眠っていたほうがよかったのです。
今年は、昨年来のポートフォリオのまま相場に臨みました。年初に、ポートフォリオ構成銘柄の中から、２銘柄を信用取引で買い、その利益で建て玉を現引きすることで持ち株を増やしました。後半は、持ち株の動きを眺めているだけで、持ち株の評価額が増え、日経平均の７％を大きく上回ることができました。
この結果、アベノミクスが始まった２０１３年以来の平均株価の上昇率（６８％）を大きく上回る８４％を達成することができました。
ただ、証券増税のため配当金の受取額は、持ち株に増配がありましたが信用取引での配当減で相殺され、ほぼ増税の範囲内で減少しました。
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皆さん、こんにちは。１１月９日以来のご無沙汰です。
ファンドの成績は以上の通りですが、金融資産のほぼ全額をファンドで運用している私にとっては、恵まれた年となりました。おそらく、環境変化を先読みして、長期投資をやっておられる方には、もっといい成績をあげておられると思います。
反面、値幅取りに夢を託した短期投資の方や、波に乗れずにヘッジ売買を繰り返した方にとっては、せいぜい日経平均並みの成績しか残せなかったのでは。
そこで明日以降は、今年に起こった投資環境の変化を各方面から分析し、来年の相場と投資方針を、どのように決めるかを考えてみたいと思っています。
キーワードは、「長期保有」、「需給」、それに「銘柄選択」となりますが、年末年始の休場の間、肩のこらない読み物として、お役に立てることを願っています。
それでは皆さん「よいお年を！」
