ICEブレント先物価格が約4年ぶりの安値となる1バレル64ドル台まで下落し
これを嫌気して、欧米の株式市場はエネルギー関連株を中心に大きく下げました。
しかし原油安はエネルギーコストの低下を通じ景気を支える要因になる訳ですから
むしろ喜ばしいことであり、嫌気して株価が下がるというのはどうも腑に落ちません。
世界経済の減速が原因で原油価格が下がるのであれば
原油価格に関係無く株価が下落するのは当然ですが
現状は決してそうでは無く、ただ単に需給が悪化しているだけだと思います。
勿論、中国と欧州という二大市場で景気が減速していることは確かですが
それにしてもここまで原油相場が下落するほどの理由にはならないでしょう。
そうなると原油が暴落している要因はシェールガス革命が最も大きいと言えそうです。
米国に於ける今年の原油生産量は、過去30年で最高の日量850万バレルに達する見通しで
同国の生産量急増は、今後益々国際市場に影響を及ぼすものと思われます。
因みに米国では05年に国内消費の60%を占めていた外国産原油が
16年には半分以下の25%まで減少するだろうと言われています。
またカナダが米国からの輸入を増やしており、産油国の中には需給関係が悪化して
アジアの製油所に買い叩かれるケースもあるそうです。
しかし生産量は内戦が絶えないリビアやイラク、それにロシアでも伸びており
産油国の経済が大きな打撃を受けるのではないかと心配されています。
中でもブラジル、メキシコ、ベネズエラなどの新興国は
石油で得た利益を全て使い切っているため、深刻な打撃を受ける可能性が高いと言われています。
無論、これらの国に限らず、自国の経済を天然資源に頼っていた国は
大きな試練に直面することになりそうです。(天然資源に頼らずコツコツ真面目に働いて下さい^^)
それにしてもデフレ脱却を目指す日銀を初め、各国の中央銀行にとって
原油価格の大幅な下落は期待インフレ率を低下させる要因になるので
正直なところ有難迷惑かも知れません。(中央銀行も原油価格に頼らずコツコツ頑張って下さい^^)