http://minkabu.jp/blog/show/631374
に引き続き。
そろそろシーズンが過ぎるが、
殺虫剤やスプレーが売れているらしい。
もちろん、デング熱騒動だ。
では、殺虫剤メーカーはウハウハなのか?
そう簡単な話ではない。
それを説明するために、
ここで過去に起きたフマキラーの在庫問題を取上げてみよう。
残念ながらこの話は殺虫剤ではなく、手につける消毒液の話だ。
(フマキラーは消毒液も販売している)
確か SARS(サーズ)か、O-157が流行し、パンデミックの危機が叫ばれていた頃。
巷に予防グッズが売れた。
そう、フマキラーの消毒液もその一つ。
小売店からの要望を受け、増産して対応したそうだ。
売れているときは良かった。
しかし危機が去ると、当然のことながら需要が激減する。
すると今度は小売店が売れなくなった消毒液の在庫を返品。
フマキラーに押し付けたのだ。
フマキラーは帳簿に在庫を評価損として計上。
量が多かったため、暫くの間 フマキラーの業績の足かせとなった。
今回はどうなるかわからないが、
メーカーとしてはこの様なリスクがある。
「デング熱が怖いから、メーカーは問答無用で増産しろ!」
という意見もあるかもしれない。
しかし上に書いたとおり、急激な需要の増加と減少がメーカーの体力を奪い、
倒産したり、殺虫剤から手を引く企業がでてきたらどうだろう?
(※もちろん極論だけれど)
ふたたびパンデミックリスクが高まった際に、
予防品を作る企業が少なくなり、多くの人が困る事態にだって考えられる。
小売や消費者がパニックになって買い求めてはいけない。
もちろん、病原菌は怖いけど。
メーカー側も、この様な緊急時には一定の条件を設けて小売に返品を認めないような交渉をすべきではないだろうか。
たとえば、「小売の要望によって商品を卸す場合、商品のン%は返品を認めない」など。
(小売や消費者も、リスクを覚悟する必要があるのでは。)
蛇足:
小売店のプライベートブランド(PB)は、
返品をしないこと条件に、メーカーに割引をしてもらっている。
仕組みは違えど、在庫リスクを小売が引き受けた一例である。
参考:
パンデミックについての参考映像はこちら↓
http://www.youtube.com/watch?v=KQ6zr6kCPj8