2009年8月、インターポール(国際刑事警察機構)は突如、
大量の人員を投入してコートジボワールのカカオプランテーションに対して、
一斉捜索を行った。
そして、奴隷労働者として使うために売買された54人の子どもたちを救出した。
子どもたちは7カ国から連れてこられていたが、なかにはまだ11歳のこどももいた。
劣悪な環境に置かれ、ただ働かされるだけで給料も払われず、
教育も受けさせてもらえなかった。
(略)
悲しいことではあるが、児童労働はいまのところまったく珍しくない。
国連の統計データによれば、自動就労者の数は全世界で2億人を超えているという。
「それは第三世界の話だ」
と思う人もいるだろうが、じつはそうではない。
アメリカでも精肉加工工場などの危険な労働環境に、
児童就労者が少なくないことはよく問題になっている。
また先進国の企業は、自ら直接、子どもを働かせてはいなくても、
間接的に児童労働に関わっていることもある。
よくテレビや新聞でも報道されているので知っている人も多いだろう。
先進国に原材料や部品などを提供する業者が、
コストを下げるために児童労働を利用していることはよくある。
実際、ナイキ、リーボック、ギャップ、スターバックス、ファイアストン、
コカ・コーラ、マテル、モンサントといった、
業者もさまざまな欧米の有名企業の多くが、
供給業者の問題でマスコミなどの非難を浴びている。
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★「CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる」
J.C.カールソン著 夏目大訳 佐藤優解説 東洋経済 1,500円+税 2014.7.10.発行
P.286~287より抜粋
著者は10年間CIAで諜報員をしていた人間だが、
この書籍を発行するにあたってはCIAの検閲が入っていると著者は言っている。
上のような問題を挙げた理由には、
CIAが部外者が思っているほど、悪徳なのではないという広報的な意義があるのかもしれない。
なので、上に実企業の名前をあげてはいるものの、
その問題は「現地の供給業者」に問題があると言っているわけで、
ホントウは問題をすり替えている可能性もある。
(特にモンサント)
百歩譲って、こうした表現がCIAの広報活動だとしても、
そうした問題に触れて倫理面を強調するという姿勢は、
徹底的にその問題を無視する姿勢よりも、
部外者のCIAに対する心証改善の効果は遥かに大きい、と思われる。
倫理的でない企業に対するCIAからの風当たりは、
今後ますます強くなってくるのだろう。
特に、日本企業に対しては。
いつだったか二階堂ドットコムが言っていた、
菅官房長官の耳にも入っているという神奈川県におけるITの話、
対応を間違えると、特に危ないだろう。
CIAに「秘密保護法」は、通用しない。