現代は非常に競争の激しい時代なので、
つい卑劣な手を使ってでも勝ちたいと考えてしまうかもしれない。
常に正直に、正々堂々とふるまうのは難しく感じられる。
競争相手を蹴落とすようなことはせず、いつも真正面から戦うのは理想的ではあるが、
まったく現実的ではない、そう思う人も多いだろう。
手段を選ばず相手を叩きのめすほかはないというわけだ。
しかし、そういうやり方だと、結局、最後には誰も生き残らないことになる。
それはスパイの世界もビジネスの世界も同じだろう。
汚いことをして、たとえ一時的に勝てたとしても、他人からの評価を下げ、
信頼を失ってしまっては長続きしない
(法をおかすようなことをすれば訴追され、高額な弁護士費用がかかるかもしれない)。
だから、どれだけ破りたい誘惑にかられても、
法律などのルールは守っているほうが得策なのである。
正直さや誠実さが貴重な財産であることはすでに書いた。
CIAの諜報員はたしかによく嘘もつくし、法に反する行動もとるが、
この本ではその面は強調しなかった。
そんな諜報員でさえ、任務を遂行するうえでは正直さ、誠実さがとても重要になるという点を
わかってもらいたいと思ったからだ。
細かいテクニックなどよりも、人間として信頼されるかどうかの方が大切である。
ただ誤解してほしくないのは、私がこの本に書いたことは、
ガールスカウトの教えなどとは根本的に違うということだ。
(略)
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★「CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる」
J.C.カールソン著 夏目大訳 佐藤優解説 東洋経済 1,500円+税 2014.7.10.発行
P.331~332より抜粋
この書籍の狙いどおり、ビジネス書として読んだ場合には、かなり失望すると思う。
オイラはそんなことよりも、純粋にCIAの活動に興味があったから読んだみたまでだ。
それから、引用した部分は、オイラとケンカした奴らへの代弁となるから、そうしただけだ。
CIAの採用基準はとてつもなく厳しい。
しかも、採用されても激務の上に、(大企業幹部に比べればだろうが)給与は低い。
いつかTVで語っていた人がいたけど、たしかに活動費用は無制限だが、
その使用規則は大変に厳しい。
J.C.カールソンは、2003年の夏に、イラク大量破壊兵器の存在を確認するために現地入り。
そして、そんなものは存在しないことを突き止める。
なのに、中盤で明らかになるのだが、彼女は9.11がホントウにテロだと思っているようだ。
アホくさくって泣けてくる。
いやいや、彼女は笑いを狙ってそう書いたのかも知れない。
ちっとも、笑えない。
それとも、CIAの検閲を通したというから、そう書かないとしょーがなかったのかもしれない。
終わりの解説では、佐藤優が副島隆彦のことに言及している。
副島のリーマンショック予言がどうして成立したのか、ちょっとした推理をしている。
副島の読みようによっては、バトルになるかもしれない。
何しろ言葉が足りないから、読み手の精神状態によって、その受け取り方は変わってくるだろう。
でも、佐藤優は、イヤミなんて言うような人ではないと思うけど。
ん?
それとも佐藤優は、ロシアを捨てて、親米主義者に変わったのかもしれない。
そう思うと、ちょっと怖い。
そうだとしたら、副島とバトルになるのではないか?
興味津々である。
PS:ふたりの対談集って、あったっけ?
それを読みたいという、佐藤優と東洋経済の戦略なのか?
それとも佐藤優は、J.C.カールソンからCIA的な誘惑を受けたのか?
この書籍を読むと、こんな風にやたらに裏を読みたくなってしまうのだった。
PS2:CIAの「レッドセル」という部署だったら、オイラにも勤まる。
この部署は、「妄想」を専門とする部署だからだ。
是非、試験免除でオイラを雇え。非正規職員でイイ。