ヒトゲノムの研究が進んだ、という話題を目にされたことがある方は多いかと思います。
人間の遺伝子の並びを全部解読することが終わったわけです。
かなり大ざっぱに説明すれば、人間の遺伝子というものは、A、T、G、Cという四種類の塩基が
三十億並んでできています。
これが、どんなふうに並んでいるかの解読が終わったのです。
塩基の配列の地図ができたわけです。
私たちはずっと、この配列次第で、さまざまなものがつくられる、と習ってきました。
一般的には遺伝子は生物の設計図にあたる、という表現が用いられます。
この並び次第で、さまざまなたんぱく質が作られるからです。
ところが解読が終わってわかったのは、遺伝子イコール人体の設計図ではない、ということでした。
たんぱく質の設計にかかわっているのはせいぜい遺伝子の中の一・五パーセントで
残りの九十八・五パーセントは、そんなことにかかわっていないのです。
では、何をしているのか。
実はまだ、よくわかっていません。
しかし三十パーセントほどの遺伝子は、もともと外部のウイルスだったらしい、
ということもわかってきました。
これはSFのたぐいの話ではありません。
(略)
しかし脊椎動物が誕生して、もう五億年です。
その間、どれだけのウイルスに感染したことか。
どれだけのウイルスが体内に入って、そのまま住みついたことか。
体内にあるウイルス由来の遺伝子は、その結果なのです。
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★「自分の壁」
養老孟司著 新潮新書 740円+税 2014.6.20.発行 2014.7.10.4刷
「体内はウイルスだらけ」 P.54~55より抜粋
「考える読書」とは違って、この書籍はとても読みやすい。
終わりにある解説を読むと、書く書籍の種類によって、
口頭筆記にしてもらう場合と、自分で書く場合と分けているということだった。
この書籍は、前者の方法によっており、他者の目が入っているので読みやすくなったそうだ。
ミトコンドリアの遺伝子は、実は別働隊という話もオモロイ。
他にも精子の鞭毛なんかも、別働隊の独自遺伝子を持っているという驚き。
最終節の方を引用したいとも思った。
「自信を育てるのは自分」という節だ。
「苦労は買ってでもしろ」という意味合いのことが、彼独自の言葉で述べられているのだが、
談合と戦ったことのあるオイラには、胸にグッと迫ってくる言葉であり、
養老孟司という男は、なかなかハードボイルドなことをいう御仁なのだなぁ、と感嘆した。
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「やり直せば いいじゃない
いろんなことを考えずに 素直になってくださいネ
あなたがほんの少しだけ 変わるのを待っている人が
あなたのそばに ホラ ちゃんといるじゃない
やり直しはネ 幸運を運びます」
この詩は、凄腕の予言者と目されている、松原照子によるものだ。
この詩というか松原照子に、ちょいと惚れた。
★「月刊ムー8月号」P.183より抜粋
今月号のムーは、なかなか気合いが入っていて、実にオモロイ。
その筆頭は、「ヴァチカンの黙示録」であった。
ヴァチカンは反キリスト勢力にすっかり制圧されており、
みんなが読めないであろうラテン語による聖歌の改ざんが行われている。
その歌詞は、実は堕天使ルシファーを称えるものになっているという。
そしてヴァチカンにおいて、
その聖歌の替え歌を、何も知らない教徒らに、ラテン語で歌わせることに成功したという話だ。
オイラなんぞも想像したことがあるような「神=宇宙人」という構図を利用した、
世界統一政府樹立にむけた大陰謀が企てられているという。
これは、ちょっと怖い。
北見修道院にいる106歳のシスター・ビクトリアに報告して、
せめてスペインだけでも、騙されないで欲しいんだけど。
PS:TV東京深夜の「牙狼(ガロウ)」は、とてもオモロイ。
主人公の一人である女優の冷めた演技が、とても萌えさせてくれる。
容姿と言葉遣いのアンマッチが、かなりイイ。
毎回、けっこうな大物俳優が登場して、飽きさせないのもイイ。
テーマは昔からある、善と悪の戦いなのだけど、オモロくってたまらない。