NYダウは6/20に史上最高値(16947.08ドル)を付けましたが
17000ドルにあと一歩というところで跳ね返されました。
日経平均株価も5月下旬からの急反発で16000円台復帰の期待も膨らみましたが
何れももう一つ材料不足の感は否めず足踏み状態です。
テクニカル的にはダウも日経平均も25日線を上回ってはいるものの、9日線を下回っており
中期的には上昇トレンドですが、短期的には調整を暗示していると思います。
最大の地雷は何と言ってもイラク紛争ですが、直近の原油価格(WTI)105.714ドル/1バレルが
今後さらに高騰する様なことになれば、世界経済の減速懸念が高まるでしょう。
因みにWTI原油価格は2008/7月に史上最高値となる147.27ドルを記録して以来
2010/5月の73.35ドルを底に、その後は概ね平均90ドル台で推移して来ました。
しかし今週末一時2008/7月に次ぐ高値となる107.52ドルまで上昇し
再び史上最高値に迫るのではないかという不安が市場で燻っています。
株価は当面イラク情勢とそれに伴う原油価格に左右される可能性が高く
為替や米国の債券価格以上に要注意だと思われます。
ところで今のところイラク紛争はウクライナ紛争ほど騒がれていませんが
現実はISISによる大量殺戮を伴う極めて残虐な行為が繰り広げられており
フセイン時代とは違って、イラク全土が無法地帯になる危険性を秘めています。
今後事あるごとに報道が活発化し、その度に株価が振り回されることになる様な気がします。
NYダウ17000ドルも日経平均の昨年来高値更新も、当分イラク情勢の影響を受けることになりそうで
まさに産みの苦しみを味わうことになるのではないでしょうか。
但し現在、イールドスプレッドの日米差は0.8%と言われており
日経平均株価に換算すると1980円割安であることから
ファンダ面では日本株がもっと買われても不思議ではない水準だと思います。