元祖SHINSHINさんのブログ
運転免許試験場にて起きた秘め事?
5/13(火)、二俣川にある運転免許試験場に赴いた。
昔と違い、試験場付近にあった公文書作成事務所は消滅し、
5時間まで700円の駐車場の入口に、その名残が看板だけ残っていた。
小雨が煙るような平日、午後の試験場は空いていた。
時間を潰そうと、喫煙所でタバコを吸いながら辺りを見渡すと、
小説を書きたいという欲望が自然と湧いてきて、
どうしても人物に視線がいってしまう。
人物描写をするとき、著名人の誰某に似ているという書き方は基本的に御法度らしいが、
色川武大や阿刀田高、浅田次郎、菅原文太風な御仁たちが、やわら目立っていた。
他にも、ブルース・ウィリス、ゴルバチョフ(オイラはプーチンだと思うけど)、
そして、小ぶりで若々し頃のブリジッド・バルドー。
ブリジッド・バルドー?
オイラの目が釘付けになった。
涼しげで淡いブルーの上着にジーンズ姿のブリジッド・バルドー。
その脇を通り過ぎたとき、少し目が合った。
あまりジロジロ見つめるのは、ちょっといただけない。
それとなく自然を装った振りをして、何度か視線を送った。
霊能者だというCHIEちゃんの視線を、真似てもみたりした。
松尾スズキとかが、演技しそうな視線だ。
列の前に並んでいたブリジッド・バルドーは、
証紙を張った書類を提出すると、
10メートル後ろにいたオイラの目の前を横切って、
次の窓口へ向かうのだった。
写真を撮り終え、講習室へ入って適当に着席した。
講義までまだ時間がある。
またまた一服しようと席を立つと、
いつの間にか二つ後ろの席にブリジッド・バルドーがいた。
おいおい、落ち着こうじゃないか。
タバコを吹かしながら、妄想が広がってきた。
なんで、オイラのすぐそばに着席したんだろう?
写真を撮るときには、互いの距離はさらに近づいていたので、
密かにちゃっかりと名前を確認していた。
オイラと同じ苗字だった。
講義が終わって、免許受け取りの際にもすぐそばに彼女がいた。
やはり何度か目が合ってしまう。
若くて独身かもしれないブリジッド・バルドー。
少し気の利いた男なら、絶対に声をかけるんじゃなかろうか。
ダメ元で。
けれど、オイラには無理な相談だった。
オイラが活躍できるのは素面の世界じゃない。
酒が入っていないと、てんで行動できないんだ。
しかも、それにはさらに満月という条件が必要だ。
駐車場から車を出すとき、
通りの向かいをブリジッド・バルドーが歩いて行くところだった。
やっぱり、目が合った。
なにやら彼女の瞳孔が大きく開いているようにも見えた。
あんまり視線を送るので、ちょっと、怒っていたのかもしれない。
それとも、そうじゃないのかもしれない。
過ぎてしまったことなので、後の祭りだ。
でも、今日の出来事は、小説を書くための土壌になるだろう。
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