メタファー(隠喩)だとか、作品の背景にあるかもしれない意識だとか、
難しいことを一切合切無視して、ただただ無心に村上春樹作品を読んできた。
最初は、なんだかとってもふわふわした文章を書く人だなぁと感じていたが、
何作も読み進めていくうちに、重大なことに気がついた。
村上春樹の文章をしばらく読んでいないと、イライラしてくる自分。
どう説明していいのかわからないけれど、
彼の文体にすっかり魅了されてしまい、
オイラはすっかり春樹中毒に陥ってしまったようだ。
川上弘美の文体も、かなり魅力的なのだけれども、
村上春樹ほどではないような気がする。
彼は河合隼雄という心理学者に興味があったようなので、
ひょっとすると、彼の書く文章には、
そういった心理学的な趣向が込められているのかもしれない、
などと、魔術的なことを想ったりもする。
不思議なことだ。
このように、彼の文体に魅了されてしまうと、
作品の内容だとか、出来がイイとか悪いとか、関係がなくなる。
何でもイイから、村上春樹の新しい作品を読みたくなってしまうのだ。
とうとう新しいものが上梓されないとなったら、
それまでのものを繰り返し、繰り返し読むことになるんだろう。
いつか小田急線でみかけた、ボロボロになった「1Q84」を手にした紳士のように。
不思議なことだ。
★「Dear John Letter」
ホイットニー・ヒューストン
https://www.youtube.com/watch?v=ZcNrICb1Qxc
今までこの曲がそんなにイイとは、気がつかなかった。
他の楽曲に注意が行っていた。
20回くらい、流しで聴いていると、突然にこの曲がイイと気がついて、
最近こればっかり、車中で聴いている。
オイラの直感なのだけれど、
この楽曲には、村上春樹の文体の魅力と通じるものがあると思う。
不思議な中毒性があるのだ。
色々と気がついたことがあるのだけども、
ここでは敢えて説明しないという意地悪なことをする。
この楽曲がどうしてイイのか研究すると、
村上春樹的な文体が、あなたの手にも入るかもしれない。