「敬語の指針」

元祖SHINSHINさん
元祖SHINSHINさん

敬語の使い方が難しくってかなわんと、大沢在昌がどこかで書いていた。

実際に生活上で使用するときだけでなく、小説を書くときにも気になるのだという。

プロの作家には校正の人がつくから、そんなに心配しなくてもいいのではないかと思うけど、

それでも間違えてしまうと気恥ずかしい思いをするものなのだろう。

 

「結局、敬語は自己責任ですから」

委員のあいだで、そういうムードが蔓延したらしい。

 

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顕著な例を見つけだすのが難しいが、四、五人の登場人物がいて会話だけが記されていても、

どれがだれの台詞か、広い意味での敬語(敬語を使わないことも含めて)の使い方でわかるのが

通例であり、わからなければ小説家の文章とは言えまい。

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★「日本語を書く作法・読む作法」

  阿刀田高著 角川文庫 514円+税 H23.4.25.初版発行

  「自己責任と小説の中の敬語」P.47より抜粋

 

著者は、文化庁文化審議会の委員として、「敬語の指針」作製に参加したという。

http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/bunkasingi/pdf/keigo_tousin.pdf

「敬語の指針」文化庁

 

抜粋した部分は、少し極論を言っているのだろうと推察するけれど、

それくらい会話というものが、小説においては重要なのだと著者は書いていた。

 

予選落ちした作品を書いていたとき、

オイラも敬語の使い方に悩んでいた。

 

実は菅官房長官と、横浜市のとある会場で遭遇したことがある。

冒頭場面と途中と2カ所で、ご登場いただいたのだけど、

そのときの会話でどーしても敬語を使う必要があった。

 

ところで、その彼からして実名を使用したという大博打を打ったのだけど、

実名を使用しないと、オモロサを発揮できないし臨場感もなくなると踏んだからだ。

 

しかも、それがバレても叱責される心配は皆無だった。

猫山又三郎(仮名)という親戚がかつて自民党県会で活躍していたので、

怒るに怒れないと確信していたのだけど。

 

それにもしも審査員が、「石原慎太郎を読んでみた」の勇気あるスタッフだったら、

いいところまで行ったかも知れないと思ってみたりしたけれど。

 

ところが、登場する会社名もすべて実名だったので、

(ホンダ、セブン&i、ウォルマート、イオン)

スポンサーをたくさん抱える新聞社としては、ハナから採用不能だったのだろう。

ちょいと博打を打ちすぎたようだ。

 

話を戻すと、

投稿しようとしている新人に、校正の人はいない。

「敬語の指針」は、そういうときに役に立つと思われた。

 

 

 

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