先日米国のグロース投資家が日本株を買っているという話をしましたが
最近ウォール街で日本株への投資を見直す動きが強まっているそうです。
但しそれはアベノミクスに対する期待ではなく、主に以下の理由だとのこと。
◇欧州や新興国に比べ最近の日本株には割安感がある
◇日本は金融政策がはっきりしているだけに安心感が強い
◇欧州の金融政策が不透明
◇日本経済は欧州や新興国経済に比べウクライナ問題(ロシア経済)の影響を受け難い
理由は何であれ海外のバリュー投資家やグロース投資家が
再び日本株への投資を強めてくれるのは嬉しい限りですが
ここで注目したいのがJPX日経400銘柄です。
<JPX日経400>
◇日本取引所グループ、東京証券取引所、日本経済新聞社が開発した株価指数
◇ROE、営業利益、時価総額などから“投資魅力の高い企業”として選定した400銘柄が算出対象
◇日経平均、TOPIXと並ぶ指数として注目されている
◇運用開始は2014年1月6日で毎年8月末に定期入れ替えを行う
つまり外国人が投資の基準にするROEから判断して魅力的な銘柄が多いことに加え
国内最大の機関投資家であるGPIF(積立金管理運用独立行政法人)も
JPX日経400銘柄に対する投資ウェイトを上げる意向を示しており
今後は日経平均・TOPIXより高い指数の上昇が見込めるのではないかと思います。
因みに先日ROEが高い注目企業を一部ご紹介しましたが
NET企業の様に自己資本が小さくて済む事業では相対的にROEが高くなるので
設備投資が欠かせない製造業や販売業の中でROEが高い企業、或は着実に改善している企業が
特に注目されるのではないかと考えています。
<ROEが改善する企業の特徴>(例に挙げた銘柄は全てJPX日経400採用銘柄)
◇高シェアを誇る企業(オンリーワンの強みを持つ企業)
旭化成・ニコン・日本電産・堀場製作所・クラレ・ダイセルなど
◇ブランド力の高い企業
サンリオ・オリエンタルランド・ユニチャーム・東洋水産・富士フィルム・資生堂など
◇事業再編に積極的な企業(不採算部門の撤退・リストラなど)
東芝・日立・富士重工・NTTドコモ・セブン&アイH.Dなど
◇M&Aに積極的な企業
ソフトバンク・ダイキン・スギH.D・ツルハH.Dなど
◇自社株買いや自己株消却(自己資本の減少)に意欲的な企業
日本取引所・NTT・デンソー・JFE H.D・横浜ゴム・太陽日酸・コムシスH.Dなど
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ところで今日の日銀短観によると
中小企業を中心に設備投資の遅れが目立つことや輸出の改善にはまだまだ時間がかかるなど
景気回復の実感が無いまま消費税増税に突入したことで景気の先行きが心配されます。
しかもこのタイミングで金融緩和に踏み込むには時期尚早との見方も多く
今日の東京株式市場(前場)は方向感を失っている様に思えます。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA3001H20140401