「男は顔じゃない、カネでもない、地位でもない・・・」
といった具合のコメントがついた新聞広告。
どうやら男性論について書いてあるようだ。
「今どき、嬉しいことを言ってくれる女だなぁ」
と粋に感じてはいたけど、まぁ広告だよなぁ、という疑念もぬぐえなかったのだが。
★「男性論 ECCE HOMO」
ヤマザキマリ著 文春新書 760円+税 2013.12.20.第一刷
ヤマザキマリは「テルマエ・ロマエ」というヒット漫画の作者。
ローマの英雄を中心に持論を展開させ、
本当にオモロイ男って、こんな奴らなんじゃないのかという風。
自然とローマ帝国に話が触れるので、
次第に塩野七生の書いたものも読みたくなってくるという趣向もある。
また、読んでみると意外な展開もあって、オモロイ。
ヤマザキマリは、17歳でイタリアへ渡ったという。
絵描きになりたくて。
語学も現地で覚え、現地で詩人と結婚し子供が生まれたところで、離婚。
その後、学者肌の男と再婚して今日に至る。
絵を描きたいから、絵を描いてきた。
今の日本は、空気を読む人ばかり多すぎて、つまらんという。
自分のやりたいことをイイ意味でわがままにやって、
転職もいとわず、世界に羽ばたけばイイという。
とてもチャレンジ精神旺盛な女だ。
合間合間に、彼女の実体験が豊富に語られるのだが、
学びになることが多く、刺激的。
創作が趣味な人は、読んだ方がイイと思う。
それに絡んだ話だと、絵描きというのはデッサンが命とはよく言われている。
小説家も同じなのではないかと、思うようになった。
百田尚樹のように「自分の書きたい場面から書く」という手法は、
自然と、絵描きのデッサンと通じるものがあると思う。
ダメなら何度でも、書き直せばいいのだ。
それが趣味ならば、時間はたくさんあるのだから、
時間をおいてまた書き直せばイイのだ。
その間に、きっと色々な作品に目を通すはずなので、
そこからたくさんのことを吸収して進化した自分がそこにいることになる。
なので、以前にはなかったシーンが描けるようになっているはずだ。