ムンクの「叫び」を模倣した絵が、
不思議なことに、ほのぼのとした雰囲気を醸し出して表紙に描かれている。
帯にはあの西原理恵子が、独自のヘタウマ絵でそば耳を立てている。
「母親のダイナマイト心中から約60年・・・」
そんな文句が読者の興味をそそる。
★「自殺」
末井昭著 朝日出版社 1,600円+税 2013.11.1.初版第一冊 2013.11.20.初版第二冊
末井氏には一時、巨額な借金があったという。
「お金のことなんかで死んじゃダメです。そんなこと、なんとかなるんですから」
弁護士を介して、彼は微々たるお金で借金の踏み倒しに成功する。
そういえば、西原理恵子は著書で、2億円の借金があると書いていた。
表紙でそば耳を立てている彼女が聞いているのは、
自殺全般のことなんかより、借金の踏み倒し方なのかもしれない。
(こんな西原のバイタリティには、呆れるよりほかはない・・・)
この書籍は読み物としても、大変にオモロイ。
読み終えると、大概のことは、どーにだってなるんだと開き直れる。
はっきり言って末井氏は、んとにわがままなネコそのものだ。
どーしょーもないダメネコなのであるが、
どーしょーもなく親しみを感じてしまう。
死にたいと思っている人は、是非読んでみるべきだ。
読後には、どーしょーもなく末井氏と会ってみたくなるはずだ。
つまり、自殺しようという考えが、きれいさっぱり消えてしまうというわけだ。