11/17(日)、オイラは早朝の小田急線急行に乗っていた。
海老名で乗車し代々木上原まで、その後は東京メトロで千葉方面へ行くのだった。
車内はそこそこ空いており、
席に着くとオイラの右隣にいる女性は栄養関係の書籍を開いていた。
2つ左側にいる女性は、文庫本を開いていた。
向かい側の席でも何人かが文庫本に目を通している。
意外にも、電子書籍を読んでいる人は目に入らなかった。
ふと気がつくと、左斜め前に立っている男性が目にとまった。
左手には、表紙を裏返しにして白くなった文庫本があった。
よく見ると、その白紙の中に書籍の題名がうっすらと浮かび上がって見える。
「1Q84」と読めたが、それが文庫本で何巻なのかはわからない。
その男性のきちんとした背広には、社章が付いていなかった。
恐らく五十代の紳士だ。
代々木上原に着いた時、「1Q84」の何巻目か確かめようと思ったが、
眼に入ったのは、あちこちに折り目の付いてボロボロになっているページと、
ページの最上部に印刷されている<天吾>という文字だけだった。
その紳士は、代々木上原で下車しなかった。
高確率で新宿に向かったと思われる。
日経新聞本社のある大手町に行くのなら、代々木上原で下車するはずだ。
新宿にオフィスのある出版関係の人間かも知れないと夢想した。
なぜって、普通の人ならば、
あそこまでボロボロになるまで「1Q84」を読むことはないと思うからだ。
オイラの周りにいる人に訊いてみても、途中で投げ出すとか、
1度きりしか読んでいない人がほとんどだからだ。
いったいこの紳士は、なにものなのだろう?
そんなことを夢想していると、これまた小説の材料になりそうだ。
想像するだけでも、けっこう楽しい。
PS:「まほろ駅前番外地」で、ロシアンルーレットの巻きを再視聴した。
ゴルゴ13ネタが出てきたので、あー、しをんもゴルゴ好きなのかと思って笑えた。
ゴルゴのシナリオは、いつどこでだれが考えているのだろうか。
毎回、感心してしまう。