元祖SHINSHINさんのブログ

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長短含めて150本くらい書いてる慎太郎

その中から、著者たちがこれぞと思うものをピックアップして、

解剖して遊ぶという趣向。

国会図書館に足繁く通い、入手しづらい資料にもあたるという根の入れよう。

 

その小説の構成とか、作中表現の善し悪し、

作品背景とそれに絡むエピソードなど、

かなり楽しく読ませてくれる。

 

著者たちは、そもそも慎太郎嫌いであったのだが、

読んでみたらイケてる部分も多々あると判明した模様。

一方で、ダメな部分は本当にケチョケチョ、木っ端微塵に料理している。

 

また、編集長とよくよく作戦を練っており、

このことが当の本人に知られたらどーするのだろうかという点も、

鼻から真っ向勝負する算段だったようだ。

しかし、争いごとにはならず、当の本人もあっさりと認めているらしい。

この辺の見極めは、見事だと思う。

 

書き手に回ろうという気概のある人にも、

この書籍の内容は、参考になると思われる。

特にオイラのように、小説体験の少ない人ほど得るものは大きい。

例えば、初心者ならば知らないであろう新手の小説的技法に対する言及や、

次に読むべき作品もそれとなく導いてくれるという内容。

 

まだ、あと1/3ほど未読なのだが、

この書籍は大当たりであった。

 

★「慎太郎を読んでみた」

  栗原裕一郎・豊﨑由美著 原書房 2013.9.4.発行

 

となると、

この二人の他書籍も大当たりくさいので、読むのが楽しみだ。

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