麻生財務大臣はなかなかの役者ですね。(時代劇が似合っていそうですが・・・
)
私は法人税減税を止める気など毛頭ないくせにあの発言を行ったのだと思います。
しかし皮肉にも麻生氏が言ってることは全て正しいことです。
現に今の日本企業でまともに法人税を払っているのは僅か2割ですから
減税されて喜ぶのは元々勝ち組の企業に限定されてしまいます。
おまけにTPPに参加すれば産業の空洞化が益々進み
法人税を議論してもあまり意味をなさなくなるのではないでしょうか。
何故なら実行法人税率の高さが日本企業を海外移転させた理由ではないからです。
おまけに海外勢は日本政府が法人税利率を下げることによって
日本企業に設備投資の余裕が出ると思っているならそれはとんでもない勘違いです。
日本の輸出企業で国際競争力を持ち合わせているのはオンリーワン企業などの極一部に過ぎません。
そうでなくても日本の経済構造は内需主導型に変化している訳ですから
少なくとも輸出企業はどうせ設備投資するのなら海外で行うと思います。
私が麻生財務大臣を大した役者だと思うのは
法人税を減税し消費税を上げるとなれば国民から非難を浴びるのは歴然としています。
つまり麻生発言の真意は、日本政府が来年の消費税増税に前向きであることの裏返しで
国民の立場も考えているというパフォーマンスに過ぎないと感じたからです。
何故なら少しくらい法人税収が減っても
消費税率を上げ、尚且つ海外の投資家が日本を向いてくれる方が
財政再建と日本経済の回復をワンセットで考えればプラスになるに決まっているからです。
そう考えると麻生氏単独のパフォーマンスではなく
自民党内でシナリオが作られているのかも知れません。