<仕手筋の正体>
仕手筋の多くは、資産家グループ(政治家・医師・企業主など)
宗教団体、投資顧問、暴力団、或は凄腕の投資家集団です。
凄腕の投資家で思い出されるのが「K氏」と呼ばれる加藤 暠氏です。
ご本人の消息については様々な憶測が飛んでいますが
取り敢えず仕手集団「般若の会」の代表として今でもその名前が登場しています。
<仕手擬き(モドキ)>
最近は小金を持ったデイトレーダーが仕手筋の真似事をすることが多く
私はこういう連中を「仕手モドキ」と呼んでいます。
実際資金が1億円もあれば時価総額の小さな新興株なら容易に操作出来ますし
数年前から急増している様に感じます。
また仕手モドキの仕掛けは同じ銘柄で定期的に繰り返される傾向があり
大抵1日か2日で終わってしまうのが特徴です。
しかも連中は所詮素人ですから提灯を付けるのに必死で
仕掛ける度に株式掲示板にはステハンを使ったしつこい買い煽りが横行します。
<仕手化し易い銘柄>
東証一部銘柄の場合 → 発行株式数1億株以内、浮動株比率30%前後(Max50%)、貸借銘柄
東証二部銘柄の場合 → 発行株式数5000万株以内、浮動株比率30%前後(Max50%)
さらに共通の条件として、資本金100億円以下、株価500円以下(100円~300円に多い)の銘柄
普段から個人の参加が多い人気銘柄は仕手化し難い
新興市場の場合 →
資本金、時価総額共に小さな企業が多く発行株式数も少ないので株価操縦が容易に行えます。
中でも時価総額が小さい上に売買単位が1株~100株の銘柄は資金力が無くても動かせるので
仕手モドキのターゲットになり易い銘柄です。
因みに本物の仕手筋が新興銘柄に介入する場合は
売買単位が1株~10株の銘柄を手掛けることは滅多になく、概ね1000株単位の銘柄です。
<仕手株の見つけ方>
基本的な方法はヤフーファイナンスで値上がり率ランキングのベスト50をチェック
もしくは東証(一部・二部)、東マ、JASDAQごとにそれぞれ上位20位ずつでもOKです。
次に上位にランクされた銘柄に株価が上がる材料のないことを確認します。
(当該銘柄のHPで確認)
そして特に材料が無いにも関わらず出来高が5倍~10倍程度増加したり
突如値上り率上位にランクされた銘柄をピックアップして板情報のチェックへと進みます。
因みに出来高の具体的なイメージとしては
JQで売買単位が1000株の低位株の場合、一日の出来高は概ね5万~50万株程度なので
何の材料もなく250万(5倍)~500万(10倍)株を超えれば仕手化の可能性が高いと言えます。
また東証1部の場合は、1億株~3億株に膨れ上がれば仕手化はほぼ確実ですが
発行株式数が1億株未満の銘柄では3000万株以上で可能性は充分です。
何れにしても目安は出来高が通常時の10倍以上になれば仕手化当確と言えますし
2~3倍の出来高増でも、それが2~3日以上続けば充分仕手化が疑えると思います。
ところで仕手筋が介入した銘柄ではしばしば見せ板が登場するので
板情報が大きなヒントになります。(仕手株に限らず板情報は個人の重要な判断指標です)
<玉集めの手法>
時間を掛ける場合 → 数ヶ月間かけて玉集めをするので余程注意していないと気付きません。
この場合は仕手筋が故意にボックス相場を演出し
ボックスの下限で厚い買い板を出し上限で厚い売り板を出します。
例えば平均単価250円付近で玉集めをする場合、株価が270円に近づくと厚い売り板を出し
230円辺りまで下がって来ると厚い買い板を出すという具合で、これならなかなか気付かれません。
しかし玉集めが思う様に進まないと利確を誘って突然下値を数%切り上げて来ることがあります。
そして仕込みが進めば今度は厚い売り板を出し失望売りを誘う往復ビンタ的な手法も使われます。
例えば2~3ヶ月に亘り狭いレンジのボックス相場が続いている途中で
突如株価が目立って上下したら玉集めの可能性が有ります。
急ぎ働きの場合 → 見せ板が頻繁に使われるので比較的気付き易いと思います。
よく見掛けるのは厚い売り板を売り指値の最安値から数ティック上に置いて売りを誘う見せ板です。
(俗に言う蓋をするという方法)
また売り指値の最安値が喰われると間髪を入れず売りをぶつけて買い気を削いだりもします。
逆に買い板に見せ板を出す場合は、参加者に買い上がらせておいて売り抜る演出です。
その他のサイン → 売り指値の最安値と買い指値の最高値の間を数ティック開ける
例えば500円に売りが出ている時、499円に買いがあれば取引は成立し易いですが
仮に10円以上開いた489円にしか買い指値が無ければ大抵我慢比べになります。
仕手筋は比較的人気の薄い銘柄に介入することが多いのでこうした手法が有効になります。
何故なら、普段注目されていない銘柄は我慢比べになればまず売らされる確率が高いからです。
また多少注目されている銘柄でも売値と買値の幅を拡げることで
個人投資家の売買が成立するのを妨害する効果があるのです。
→ 仕手筋は仕掛けるタイミングが近づくと事前に市場調査をする
つまり仕掛けても注目されなければ意味がありませんから、提灯が付くかどうかを確かめる為に
株価を故意に動意付かせて市場の反応を見ると同時に注意を惹こうとする訳です。
ただ注意深く板を見ていないと分り辛いのが難点ですが
監視中にこの様な不自然な動きが見えたら間違いなく買い場だと思います。
こうした仕手筋の揺さぶりは仕掛けの数日前であったり、時には当日ということもある様です。
→ 大量の空売りを入れ、篩い落としをかけてからスタートする
それが仕掛ける数日前か直前かは様々ですが、急に空売りが増えたら買い場だと思います。
寄り付くと同時にいきなり10%程度下げて狼狽売りを誘い
その直後に反転し暴騰することもあります。
<仕手株を買うタイミング>
玉集めを疑う事象を発見した時に仕込めば、予想通り仕手戦に突入した場合短期で大きく稼げます。
しかし見込み違いの場合は早めに撤退して下さい。
以下に買いのタイミングと思われるケースを列記してみます。
①玉集めの形跡に気付いた時点で打診買い
②出来高急増(値幅に関係なく株価の上昇が条件)が2日続いた場合は打診買い
③怪しいと睨んだ銘柄に突然空売りが増えたら打診買い
④突如大陽線が出現した場合は確実性が増したと判断し打診買い
⑤統計的に初動日(突如大陽線が現れた日)の終値より翌日の終値が安い傾向があり
初動から2日目の押しは狙い目(目安として初動日の高値から10%前後押した辺り)
⑥初動日の翌日がGUスタートなら一度利益確定し、押したところを買い戻すのが賢明
⑦出来高が減少したにも関わらず株価が下がらない時も買い又は買い増しのタイミング
⑧たまたま仕手戦のスタートを目撃した時
即ち厚い売り板がパックリ喰われたタイミングで同時に買い向かう
⑨数日間上げ続け反落した場合は三分の一押し辺りが第二弾の狙い目。
<利益確定のタイミング>
仕手戦は数週間続くこともあれば2~3日で終わることもありますが
仕込みに時間をかける程、仕掛けも長期間続く様な気がします。
しかし確実に利益を得ようと思えば一定のルールに沿って利益確定することが重要だと思います。
如何に幾つかの例を挙げて置きます。
①初動の始値から30%上げたら全部または半分程度利益確定する
②初動からの出来高が浮動株数を超えた時点で全部または過半数を利益確定する
③出来高が1日~2日で発行株式数を超えたら全部売る
④初動日S高に張り付いて終わる様なら全部または一部を利益確定する
⑤初動2日目がGUスタートなら残りを利益確定する
⑥初動2日目もいきなりS高に張り付いた場合は取り合えず成り行きで売りを入れ様子を見る
最終的にS高のまま引ける様なら半分利益確定し残りを持ち越す
⑦S高3連荘は取り敢えず売り
⑧NET上で騒がれ始めたら売り(投資顧問などが盛んに買いを推奨する時は最後の仕上げ段階)
稀にS高3連荘以上もありますが、最初からそれを期待して深追いすると
一転連続S安という落とし穴に嵌ることがあるので、あまり欲張らない方が賢明です。
またこの様な場合、3連荘目から少しずつ利確しながら様子を見る方法もあります。
因みに③のケースは殆どの場合短期暴騰型ですから、さっさと勝ち逃げするのが利口です。
仕手株は通常30%くらいの上昇は期待出来ますが、稀にその手前で息切れすることもあるので
板からは絶対目を離さないことが大事です。(兼業トレーダーさんには向きません)
また①②は途中篩い落としを挟みながら2週間くらい続く場合もあるので
冒険したい人は持ち株を回転させたり一部をホールドしながら再度押し目を狙う手もありますが
前述の様に寄り付きGUスタートの場合は、確率的に一旦利確する方が賢明だと思います。
さらにラウンド数字の株価はいろいろな意味で節目になり易いので注意が必要です。
例えば350円からスタートした仕手株が500円という節目に近付いた時
NET上に500円は通過点とか目標株価1000円などという情報が現れたらまず終わりです。
多くの場合500円を勢い良く越えて盛り上がりが最高潮に達した途端一気に大型爆弾が投下され
その後はジェットコースターどころか
フリー・フォール・ゴー状態になることは言うまでもありません。
最近の仕手株はWトップやTトップ型の短期暴騰銘柄が多いので
売買のタイミングは難しくなりましたが
逆に初動翌日の押目狙いが有効であるケースが多い様な気がします。
以上、仕手株は資金効率が極めて高い反面
ギャンブル性も高いので不用意に参加すると危険ですが
仕手株の仕組みを充分理解し、仕手筋の心理を読むことが出来れば
特に専業トレーダーさんにとっては難しいどころか逆に美味しい投資対象になり得ると思います。