少し前に色々あってあまりテレビに出ていなかったフィフィさんが、エジプトの政変の特集で7/5放送の「ひるおび」に出演していました。
フィフィさんが訴えていたのは、今回のエジプト情勢の報道と、実情のかい離について。
フィフィさんがいうには、当初表面的には、「イスラム色の強い政策と失業率そして物価高に対してデモが発生したもので、これを軍が何とかしてくれた」のような報道もあるがそれは軍側の理屈であり偏っているとの旨あっていました。軍は関連企業を多く持っており、あらゆる業界に進出している。軍関係の経済規模はGDPの30%にのぼる。
軍は利権団体という側面も持っており、モルシ政権において影響力が後退すると同時にこの部分にメスを入れられるとまずいという意識もある。
同時に物価高は小麦などの食品価格と、ガソリン価格が目立っていた。同時に電気・水などインフラも不安定化したと。そしてこれらの物価高は作為的に起こされたものではないかというぐらい短期間に上がりすぎているのではないかとのことでした。
尚、失業率問題はモルシ政権の前からすでに問題化していたと。
今回の政変は、モルシ政権に反対する軍部が綿密な計画を以て起こしたクーデターであり、民主化の後退であるとのことでした。
詳しくはフィフィさんご本人のTwitterにも書かれているのでそちらでどうぞ。テレビでは言い切れなかったことや、その後の続報なども書かれていてたいへん面白いです。
https://twitter.com/FIFI_Egypt
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さて、フィフィさんの話の要点は上の通りですが、例のエジプトの政変は原油価格に影響を出している部分もあります。より直接的には米国の原油在庫の予想外の減少の方でしょうが、中東不安がじわじわ影響が出てきているようで、果たして今後どうなるのでしょうか。
商品市場でも、米国の金融緩和縮小からドルの価値が上がり、金などの貴金属市場は下げてきており、また、多少の天候不順が起こっても、前年の反動から空前の作付面積となっている穀物も極端な冒頭はなさそうです。
そうなると商品のなかでも原油は上昇に説得力があるため投機化してくる可能性も高そうかなと思っています。
なおこの二連休中も、中東ではカタールへ飛び火したデモも長続きしており、カナダでは原油輸送列車が爆発事故を起こしました。カナダのほうは市場全体に影響はさすがにでないとは思いますが、注目のきっかけにはなるような気がします。
カタールはアラブの春の時は何とか乗り切りましたが、今回はどうなるか、前回のようにサウジアラビアが軍を派遣して治安維持を行う事態にまで発展するかどうかが気になるところです。
なお、このカタールへの飛び火を考えると、エジプトの反政府デモはムスリム同胞団を警戒するアメリカが仕掛けた説は疑問です。
アメリカとしては緊縮財政で中東から兵力を引いて特に中国への抑止力を重視しようとしている状態で、中東の不安定化はかなり困るので。
しかもカタールは王政への不満もあり、イランのように革命になるとまずいですし、カタールの不安定化は最悪の場合サウジアラビアにまで影響を及ぼす危険性があるからです。
北海ブレントやWTI原油相場の高騰がどうなるか個人的にかなり気になっています。
ただ、ある程度安定化する事が出来れば、あとはイラン情勢次第で原油やLNG相場も落ち着くと思います。
イランが経済制裁を解かれれば、イランの原油やLNGが再度国際市場に大々的に流れるようになり、不足も解消してくると思うからです。
・・・そうなってくると輸出品がかぶっているため、連鎖的にロシア経済が悪化するような気はしますが。