日本海事新聞 2013/06/28
農林水産省向け小麦輸送に韓国不定期船社STXパンオーシャンの経営破綻の影響が広がっている。パンオーシャンは同輸送でシェア3割前後を占めていたが、倒産で撤退が不可避となり、現在、輸入業者の商社各社が代替船の確保を急いでいる。低コストな老齢船を活用していたパンオーシャンの撤退により、今後、日本向け小麦輸送の運賃改善が期待できそうだ。
STXパンオーシャンの倒産は残念ですが、乾汽船にとってはちょっとした神風になりそうですね。おかげで低迷していたハンディサイズバルカーの市況は徐々に持ち直してますし、これからも8月に向けてかなりの水準まで落ち直すでしょう。なにしろパンオーシャンはこの数年、ウォン安と高齢船を活用してとにかく日本よりも安い運賃でシェアを広げて言ってたので、上値の重石がとれた状態になっています。・・・っていっても、ウォン安是正やエコシップの普及は時間の問題だったので、パンオーシャンのやり方はハイリスク経営だったとは、倒産しちゃった今だから言えることですが。
経営破綻で商社各社はパンオーシャンとの輸送契約を一斉に解約して、今必死になって国内の船社で代替船を探しているみたいです。でも大量の需要(なんとシェアの3割!)が市場に突然放出された状態で、しかも船腹は限られているので、運賃の上昇圧力が徐々に大きくなっています。パンオーシャンの撤退で需給の逼迫はしばらく続きそうなので、売り手市場のプチバブルになるかもしれません。