東京市場は今日も後場に失速し、結局NK225、TOPIX共に月足陰線で終わりました。
しかし5月22日までこの様な結果を誰が予測したでしょう。
つまり「まさか」の出来事が実際に起こるのが相場の世界で
裏を返せばヘッジファンドの影響力が如何に大きいかという証だと思います。
しかも心理戦は彼らにとってはお手のもので
暴落後も個人の裏をかいてさらなる暴落を引き起こし
個人が降参するタイミングを見計らって今度は吊り上げにかかる
これが彼らの常套手段であり、行動様式の一つという訳です。
しかし同じ手法を何度も繰り返すのではなく、臨機応変に使い分けるところがプロと言われる所以で
我々アマチュアはこういう連中を相手に戦っていることを決して忘れてはいけません。
つまり如何に気を抜かず緊張と平静さを保てるかが個人投資家に不可欠な資質だと言えそうです。
ところで5/22の終値からNK225は▲11.6%、TOPIXは▲9.1%の下げ幅となり
本来なら10%の調整幅は一応直近の底を打ったと判断出来るのですが
問題は5/22の終値が計算式の分母として適正な水準かどうかという点です。
通常10%という調整幅は本格的な調整が取り敢えず終わったことを意味しますが
不当に吊り上げられた株価が分母の場合話は別で
NK225は昨日の終値ベースで13%下落しており、既に常識的な調整幅を大きく超えています。
普通は最初の暴落で投資家心理は驚きと共に「幾ら何でも下げ過ぎだ」という気持ちになります。
この時点では不安を抱きながらも反発するのではないかという期待が優先し
安いと感じて買ってしまいます。
しかし暴落の第2弾が起こると不安が優先し投げ出す投資家が増える上に
信用買いの残高が積み上がっているところを狙えば尚更効果は絶大です。
では第3弾の暴落があるかといえば、それは国内投資家の出方次第だと思います。
完全に引かれてしまっては外人も困るので暫くボックス相場に移行するかも知れませんが
何れにしても6月のMSQまでは日柄調整が続く様な気がします。
つまり6月相場の前半はひたすら重苦しい相場展開になるのではないしょうか。
因みに、少しがっかりさせられるニュースですが
4月度の全国消費者物価指数は前同比▲0.7%となりインフレ誘導どころではありません。
同じく4月の国内自動車8社の生産台数は6社が前同比を下回った上
輸出台数も前同比▲0.3%と減少し、円安効果だけで株価が一人歩きしているのが良く分ります。
(輸出は富士重工の一人勝ちです)
結局大幅な円安にも関わらず貿易赤字が解消されない理由は、額は増えても量が減っているからで
日本の経済構造が輸出主導型でなくなりつつある証拠とも言えそうです。
つまり産業の空洞化が進んだことに加え
「物作りの日本」が「物まね作りの近隣諸国」に勝てなくなったということでしょう。
こうした経済指標は
5/22までのアベノミクス相場が単なる思惑相場もしくは円安相場であったことを裏付けており
今の経済状況では日経平均株価がさらに10%下がっても何ら不思議ではないと思います。
ところで周囲を見渡せば安くなった銘柄がゴロゴロ転がっており、ついつい買いたくなりますが
中には必ず毒饅頭が混じっている筈なので銘柄選びには充分注意を払いたいものです。
(追伸)今日はニプロや長期間温めて来た大証単独上場銘柄も全て処分しました。
大証単独銘柄は4月にも数銘柄手仕舞いましたがトータルでは丁度2倍になり
投資戦略としては久しぶりに大成功だったと満足しています。
ただ一つ残念なことは6299神鋼環境を4月に手放したということです。
まさかユーグレアの人気を横取りするとは思いませんでした。
これで残りは6銘柄となり随分身軽になりましたが
持ち株は全て現物なので暫く静観したいと思います。