kabukabumanさんのブログ
☆株式投資で失敗しないための留意点その②
株式投資は銘柄投資と指数投資に大別されますが、ここでは銘柄投資の場合について書きます。
まず最初に、投資は個人投資家=経営者という自覚の上に成り立つという考えが大事です。
ですから、経営者が企業戦略を立てる様に個人投資家も投資戦略を立てる必要があります。
個人の投資戦略とは具体的には目標管理の実践を指しますが、その流れは次の通りです。
マイ・ルールを決める
損切り・利確・収支などの資金管理ルールや地合いに応じた投資戦略マニュアルの作成を行います。
マイ・マニュアルはcase by caseで適切な投資判断を下すためのバイブルなので
何といっても経験の記録と蓄積が欠かせません。
年間の成果目標を決める
通常は資金額の10%~20%、上昇トレンドが予測される年でも20%~30%くらいが妥当でしょう。
高過ぎる目標は途中で挫折する可能性が高いので達成可能な努力目標がbestだと思います。
具体的な投資対象を選ぶ
基本的には先ずセクターを決め、その中で銘柄比較を行い投資対象を選ぶのがbetterです。
(無論特定の銘柄に有力情報がある場合は除きます)
売買のタイミングを計る
買いの場合は月足で株価水準を確認、週足でトレンドを確認、日足で買うタイミングを決定します。
ですからチャートの基本は必ず押さえておかなくてはなりません。
トレードを検証する
最も重要なステップで、地合いや資金の流れなど投資環境は日々刻々と変化しますから
常に軌道修正が出来る判断力と柔軟性が求められます。
従ってここでの作業は主に利確や損切りの判断・投資対象の変更・投資期間の見直し
資金投入比率(or キャッシュ・ポジション)の変更です。
また、たとえ含み損が無くても動く気配の無い銘柄を保有し続けることは
機会損失に繋がる恐れがあるため、同値撤退も選択肢の一つです。
つまり、市場環境や需給の変化に対して
如何に迅速な対応を行うかがこのステージのポイントです。
決算書を作成する
個人投資家=経営者という発想に基づき
一年間の締め括りとして成果の検証を行う目的で簡単な決算書を作成します。
ここでは利益配分、つまり利益の何割を配当(不労所得)として自分自身が受け取るか
そして何割を次年度の投資資金に組み入れるかを決めます。
また経営者感覚を養成する目的で
扶養家族を有する人は家族を社員に見立てて利益配分を行うのも一考です。
この場合、現金で配分する方法もありますが、家族旅行などの費用に充当すれば
家族の絆をより一層深めることにも役立つでしょう。
つまり株で儲けて旅行したい、株で儲けてPCを買い替えたい・・・・・などという考えは
決して投資の目的ではなく、あくまでも成果に対するご褒美であることを認識すべきです。
次に赤字決算の場合は、失った資金の代わりに次期に繋がる経験を得られたかどうかが問題です。
投資の目的はお金が全てかも知れませんが、体験もスキルアップに繋がる貴重な財産です。
失敗の原因を分析し、架空の株主に対して失敗経験を生かした次期の企業戦略を開示しましょう。
因みに、架空の株主とは貴方自身です。
次に実践的な売買で注意して置きたい留意点について書き出してみます。
但し、買い場の判断基準については日記[94]に具体例を挙げましたのでここでは省略します
<株式投資で失敗をしないための留意点>
①銘柄選択を検討する時は先に銘柄を決めないこと
銘柄を決めてかかると分析に私情が入り込み、ひいき目の判断を下してしまう恐れがあります。
この様な傾向が強い人はしばしば銘柄に惚れ込んで損切りを怠り
大損をするか長期塩漬けを作りやすいので要注意です。
選択する個別銘柄に確固たる材料(サプライズ)がある場合は別ですが
基本的には銘柄ではなくまずセクターを選択する方がbetterです。
②企業価値が過小評価されている銘柄を狙う
一般的な評価項目は収益性・安全性・成長性・株主対策の4点でしょう。
収益性の判断は主に経常利益・営業利益(率)・一株利益など。
安全性は主に自己資本比率・利益余剰金・フリーキャッシュフロー・流動比率など。
成長性は過去3期~5期の業績推移などが判断材料になりますが
その間増収増益が続いており、しかも参入市場の伸びが期待出来ればbestだと思われます。
その他、開発力・販売力・主要株主・提携企業・社員待遇(給与・福利厚生・社員研修など)
さらには株主還元(配当性向や自社株消却など)等を同業他社と比較して判断します。
因みにPBRは正確な財務指標とは言えないのであまり重視しない方が良いと思います。
③企業価値が増加し続けている銘柄を狙う
最低でも3期連続増収増益で5期連続以上がbest。しかも営業利益が伸び続けている銘柄を狙う。
但し、成熟産業の場合は株価が比較的安定していることが多いので
キャピタルゲインに期待するよりインカムゲインを目的にした方がいいかも知れません。
④チャートは個人投資家にとって唯一の味方
チャートが全てではありませんが
個人投資家と機関投資家の間で唯一有意差のない情報源であることは確かです。
またチャートは相場参加者の心理状態を示すものですから
心理戦に負けないためにもチャートの読み方はしっかり勉強して置くべきでしょう。
⑤急いで買わない
通常は先ず打診買いをして需給を見極めながら買い足して行くのが定石だと思います。
買いたい衝動に駆られやすい人は一日辛抱する習慣を身に付けることが大事です。
勿論待ち過ぎてチャンスを逃すこともありますが
私の経験上8割くらいは後になって辛抱して良かったと思うでしょう。
⑥利益を欲張らない
買い時の判断以上に難しいのが売り時です。
何故なら、人情として含み益が増加するに連れて欲も膨らんで行くからです。
しかしあまり欲張ると下がり始めた時に売り難くなり
利確する筈が終わってみれば損切りということになり兼ねません。
ですから予め利確のマイ・ルールを作り確実に利益を確定させることが重要だと思います。
参考までに利確ルールの一例を挙げると
目標株価に達した時・出来高が急減した時・GUスタートした時などです。
因みに、売った直後に急騰することもありますが
それを一々気にしたり後悔する様では、まず勝てる投資家にはなれないでしょう。
⑦指値を頻繁に変更しない
指値中に一瞬でも買い圧力や売り圧力が強まるとついつい指値を変更したくなりますが
一円を惜しんだばかりに失敗するケースは意外に多いものです。
サプライズ報道などで需給関係が急激に変化した場合は例外ですが
基本的に指値を頻繁に変えると良い結果に繋がり難いものです。
⑧底値を判断するのではなく底打ち反転のタイミングを見極める
株は安く買って高く売れば良いと簡単に言われますが、底値なんて誰にも分りません。
ですから少しでも安く買おうと思えば、チャートで底打ちの可能性が示唆される銘柄を監視し
反転したタイミングで打診買いを行うのがbetterです。
⑨損切りした銘柄で取り戻そうと考えない
心情的には解かりますが、こういう考えは拘りの表れであり
タイプとしては銘柄に惚れ込む人と同じです。
投資に拘りや思い込みは厳禁なので極めて危険な発想です。
⑩ステークホルダーの重要性を理解する
企業の発展はステークホルダーによって大きく左右されます。
ですから主要取引先(販売先・仕入れ先)、提携企業、グループ企業、主要株主、社員
メインバンク、幹事証券、監査法人などは極めて重要な存在です。
ですから出来るだけ大企業や成長性の高い企業と取引や提携を行っている銘柄を選ぶべきでしょう。
因みに大手監査法人には、新日本・ト-マツ・あずさ・あらた などがあります。
⑪増資が多い企業は要注意
時価総額に対して10%以上の増資を行ったり、MSCBを発行する企業には関わらない方が賢明です。
⑫企業のHPを見てトレードの是非を判断する
重要な判断材料とは言えませんが、企業のHPを開いたらまず社長の挨拶をチェックして下さい。
しかも確認するのは経営理念や戦略ではなく顔写真の有無です。
顔写真を掲載していない社長に共通する特徴で良く言われるのは
カリスマ性が無い・リーダーシップに欠ける、社交的でない・強気の経営姿勢に欠ける
自分でぶち上げた経営理念や経営戦略に後ろめたさを感じている・顔に生気がない
プライベートで問題を抱えている・広く顔を知られると困ることがある・・・など。
邪推もありそうですが、顔写真を載せない経営者には不安が残るという調査結果もある様です。
次にHPではIRの量と質を確認することです。
一般的にIRの多い企業は株価に関心を持っており、株主にはプラス要因だと考えられますが
決算短信や業績修正(こういう企業は下方修正が多い)以外
滅多にIRを見かけないという企業はpassした方が無難でしょう。
またHPそのもののデザインやその内容からも経営のセンスが伝わって来ます。
間違っても買う気になれない例として某社のHPを貼り付けますので一度覗いてみて下さい。
http://www.j-escom.co.jp/
⑬中級者は閃きを大切にする
例えば車の運転中に前方の信号機が赤の時
わざわざ停止しなくても少し徐行すれば青に変わるという予感がすることはありませんか。
これは脳が周囲の状況を咄嗟に判断して
予感という形で認識させているためで、偶然ではなく根拠のある予兆と言えます。
株式投資の場合は
今すぐ別の銘柄に乗り換えた方が良さそうだという一瞬の閃きがそれに該当します。
恐らく経験上培われた知識が閃きという形で警告を発しているのでしょう。
勿論全ての閃きに根拠がある訳ではありませんが
閃いた時に行動を起こした場合と起こさなかった場合を比較すると
恐らくあの時閃き通りに売買して置けば良かったと後悔する方が多いとい思います。
しかもこういう現象は株を始めて1年以上経った中級者レベルの人に多いのではないでしょうか。
何故なら閃きは体験と相関するため、初心者は体験が少な過ぎて閃きに根拠が伴いませんし
(閃きすら無いかも知れません)
百戦錬磨のベテランにとっては、限りなく閃き=根拠だと言えます。
これがトレーダーはトレード技術を身体で覚えて漸く一人前だと言われる所以だと思います。
⑭株式投資は才能ではなくスキルアップが物を言う
つまり日々努力する人だけが生き残れるということです。
そして努力とは株式投資で勝てる知識と技術を磨くことに他なりません。
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