ユリウスさんのブログ

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安倍内閣の滑り出しは順調  -試練はこれから-

 今日の昼間、見るともなくTVを見ていたら、二人の政治評論家が安部総理の最近の仕事ぶりを採点していた。

評論家A   62点
評論家B   70点

だった。
 「これは何?」と思った。翔年の感覚では62点はどう見ても納得できない低い点数だ。番組では評価点数の詳しい説明はなく、「かろうじて及第」という評論家のコメントで終わった。安部政権に対するあまりにも安直な評価は納得できないので、自分でもう少し掘り下げて考えてみたいと思った。 キチンとした評価はもう少し時間が経過して政策の効果が表れはじめた頃にしても遅くあるまい。

 とにかく、3年余のヨタヨタ迷走の民主党政権から、予想以上の得票をえて政権の座に返り咲いた安部総理、内閣発足からの4ヶ月、流石というべきか、順調な滑り出しに見える。


 まず安部政権の根本の政治課題を抑えておきたい。
A 総理の念頭所管より
(1)遅れる復興
(2)長引くデフレ
(3)領土・主権に対する外国の挑戦
 この課題にたいして総理は、人物重視、能力重視で人材を結集し、重厚な布陣を敷き、まず、「経済再生」、「復興」、「危機管理」に全力を挙げるように全閣僚に指示した。
 課題を正しく捕らえ、優先順位を決め、明確な指示をしたことで、早速市場が反応したのはみなさんだれもが認めるところ。株価だけが経済ではないが、市場の先見性が株価に表れたとして日経平均で見てみよう。
 昨年末が10,395.18円に対し、連休中の買い一服でややダレてはいるが、5月2日の終値は13,694.04円である。倍率にして、1.3倍、上昇率では+31.7%の好調振りである。

B アベノミクス
(1)デフレ脱却
→ これには従来の金融政策の枠を超えて、日銀に次元の違う役割を果たさせた。
(2)補正予算+来年度予算
→ 経済の司令塔の役割を果たす「日本経済再生本部」を閣内に設置するとともに、はやばやと「経済財政諮問会議」を再起動し、来年度予算や税制改正の作業も急ピッチで進めている。
(3)成長戦略のキーワード(挑戦、海外展開、創造)
→ これは至難の業に見える。なぜなら、金融政策や機動的な財政政策を色々打ち出しても、それは必ずしも持続的成長を約束するものではないから。政界も財界も官界もさらに学会も合わせて、日本の知性を総動員して成し遂げなければならないと課題だと思う。山中教授のIPS細胞関連の事業化、、原子力発電所の海外展開、円安で利益の出た企業の賃金アップや有効な投資、TPP交渉をシッカリやって国益を守りつつ、これらすべてを成長戦略に繋げなければなりません。デフレ脱却のためのインフレ導入の制御とか、眼前に迫っている財政規律を守る為の消費税増税とか、経済界の老害(ちょっと酷すぎ)など心配の種もあるけれど、今はともかく前進しなければならない時と思う。試練はこれからである。(これについてはいずれ別エントリーで書きます)
 翔年はバラマキ政策をうんと絞って、「頑張って働けば必ず報われる真っ当な社会を取り戻していく政策」を続行されるよう強く望むものです。

C 日本外交の新五原則(この項目はジャカルタで行われる演説の草稿より抜粋したもの)
(1)2つの海が結び合うこの地において、思想、表現、言論の自由――人類が獲得した普遍的価値は、十全に幸(さき)わわねばなりません。
(2)わたくしたちにとって最も大切なコモンズである海は、力によってでなく、法と、ルールの支配するところでなくてはなりません。
(3)日本外交は、自由でオープンな、互いに結び合った経済を求めなければなりません。交易と投資、ひとや、ものの流れにおいて、わたくしたちの経済はよりよくつながり合うことによって、ネットワークの力を獲得していく必要があります。
(4)わたくしは、日本とみなさんのあいだに、文化のつながりがいっそうの充実をみるよう努めてまいります。
(5)未来をになう世代の交流を促すことです。
→ 以上の内容は、インドネシアで演説される予定だったが、アルジェリア人質事件の解決にむけて、総理は直接指揮する必要のため急遽帰国されたので、実際の演説は行われませんでした。翔年は聞きたかったし、インドネシアの国民や世界中の人達にも聞いて欲しかった。必ずや安部総理は機会を捉えて、アジア諸国民と我が国民の前にこのような考えを広く訴えかけれれるものと信じています。

 最後に全体的評価として、安部総理を支える要石の役割を十二分に果たしている菅官房長官の働きに国民は感謝しなければならないのではないかと思う。民主党政権時代の官房長官とくらべるとどうやら器の大きさが違うようだ。仕事ができる内閣になっていると見た。



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