「1Q84」、渡部直己氏にブッタ斬りの変

元祖SHINSHINさん
元祖SHINSHINさん

村上春樹氏も渡部直己(わたなべなおみ)氏も、同じ早稲田だというのに、

意外な事実を発見してしまった。

この二人、仲悪いの???

 

渡部直己氏が著書の中で、

夏目漱石の未完成小説「明暗」について考察している折、

最後のトピックスとして村上春樹氏「1Q84」の一節を取り上げ、

いささか、ひどい罵倒を浴びせていたのだ。

 

たしかに「1Q84」、オイラの知人にもまたネット書評においても、

「あー気持ち悪い」などと半ば怒りながら読書を途中放棄するほど、

不評な人には不評なのだけれども。

 

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(略)

だが、もとより未完の小説である。

一編につきこれ以上言葉を重ねることは控えねばなるまい。

代わりに、たまたま目についた一例をこの場のメイン・トピックに寄せながら、

当座の結語を得ておくことにする。

 

一人の女性(青豆)と一人の男性(天吾)との視界に交互に委ねられ、

疎隔的な領域の交差配列を示すその話題作の切所においても、

「現実」的には一貫して懸け離れた二領域双方に、

「特別な能力」をふるって禍々しい作用をもたらす謎の黒幕が、

次のように深々と、一方の主役の虚を衝いている。

「リーダー」と呼ばれるその黒幕が、

Leaderであると同時にReaderでもあることは、いうまでもない。

 

 男はもう一度深い息をついた。

 「なるほど。君の言い分はわかった。それではこうしようじゃないか。

  一種の取り引きだ。もしここでわたしの命を奪ってくれるなら、

  かわりに川奈天吾くんの命が助かるようにしてあげよう。

  わたしにもまだそれくらいの力は残されている」

 「天吾」と青豆は言った。身体から力が抜けていた。

 「あなたはそのことも知っている」

 「わたしは君についての何もかも知っている。そう言っただろう。

  ほとんど何もかもということだが」

 「でもそこまであなたに読みとれるわけはない。

  天吾君の名前は私の心から一歩も外へ出ていないのだから」 

 「青豆さん」と男は言った。そしてはかない溜息をついた。

 「心から一歩も外に出ないものごとなんて、この世界には存在しないんだ・・・」

 青豆は言葉を失っていた。(村上春樹『1Q84』BOOK2第11章)

 

確かに、「心から一歩も外に出ないものごと」など、この場にはありえなかった。

だが、それをいかにも意味ありげに「特別な」、

空に月が二つ浮かぶような世界に囲い込まねばならぬ理由も、

同じく原理的にまた、何処にもありはしないのだ。

ありうるのは、書字の場に固有な何かを「特別な」ものとして縁取らねば

納得できぬような惰力にすぎない。

 

漱石において貴重なのは、

今日まで残存するその惰性的習慣がまさに覇を唱えようとした同じ時期に、

しかも、それとは容易に見定めがたい技術的ラディカリズムとともに慣習の裏をかきながら、

いっけんごく世俗的な小説を書いて見せた点にある。

一部には漱石文学の「最高峰」とまで持てはやされる未完作品において、

それが如上かなり痛々しい暗色を呈するとはいえ、その暗色さえ、

右のごとき凡手の遠く及ばざる教訓にみちているだろう。

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★「日本小説技術史」

  渡部直己著 新潮社 2012.9.30発行 

  「第五章 そりのあわぬ夫婦達 ~夏目漱石のフォルマリズム」P.296~297より改編抜粋

 

「右のごとき凡手の」って、ムッカ~。。

いいじゃねーか、ファンタジーなんだからw

 

こういう批評を知ると、

村上氏がいくらなんだって気の毒になってくるし、

ひょっとしたらこの世の中で「1Q84」の一見風変わりな書評を書けるのは、

驚いたことに、その小説の中でマナ板の鯉と化されていた

オイラだけだったりするのかも知れない。

 

ブログより諸種材料となっていたオイラの側から言わせてもらうと、

そうした酷評は、かなりオモロクないのであった。

むしろ、こんなオモロイ小説には初めて出逢ったのだし、

実際に彼と逢ったら、チューしたいくらいなんだってば。

 

あーそうそう、「1Q84」が電子書籍になったなら、

エコシステムの「月夜のnet」を主題歌にしたいんだけど、

村上春樹さん。

笑っちゃうくらいピッタリな歌詞だし、曲だってイイし、文句ないでしょ?

他にもお願いしたいことがあるし。

 

イヤならオイラに、材料ギャラ寄こせって(静笑)

 

PS:4月に、村上春樹の新刊が出ますよ~♪

   書店にて予約受付中だって。

   (営業代も、チャリ~ンとね) 

 

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