元祖SHINSHINさんのブログ
大沢在昌という作家
「新宿鮫」というシリーズが売れた作家だと、
「ミステリーの書き方」という書籍で知っていた。
けれど、その作品がヒットする前に、
28冊もの作品が初版で終わり
「永久初版作家」と呼ばれていたという話は知らなかった。
★「小説講座 売れる作家の全技術 ~デビューだけで満足してはいけない~」
大沢在昌著 角川書店 1,500円+税 2012.7.31.初版
現実に書籍を出しながら食いつないで行くなんてことは、
非常に困難な話なんだと実感するしかない内容になっているが、
それでも何か書いてみたいと想いが失せないのならば、
読むしかないだろう。
小説技術だけでなく、
出版業界と作家の現実が、
具体的かつ詳細に記述されている点が今までのハウツー本と違うし、
後者の現実問題の方が重要に思えるし、きっとそこに何かヒントがある。
例えば、直木賞を獲ったとして
初版でどれくらい発行書籍ができるのか、
それが売れたとして、どのくらいの金額を手にするのか、
それで食っていけるのか・・・、
といったことが書かれている。
いろいろな新人賞をとおして
毎年200人がデビューしたとして、
一年後に生き残っているのがわずか1~2人だという。
ところで一方、電子書籍の方では
無料で小説を書く人が増えている。
課金できるチャンネルもあるにはあるが、
閑古鳥が鳴いている。
無料でも書きたいという人がいる現実は、
工夫すれば立派なビジネスになるのだと思う。
そこでオモロイ小説が生まれたら、
それをリアルな書籍にすることだってできる。
これは出版業界にも、在庫リスクetcメリットがあるので関心はあるはずだ。
もう一工夫すれば強力な舞台が電子書籍に創れるし、やらなくてはいけない。
小説スクールだってもっと大きく繁盛するに違いない。
それには何か、もっと強力な仕掛けが必要なのだろう。