(略)そう、そんなことは最初からわかっていた。
ホテル・オークラのスイートルームで、彼女の手にかかって死んでいく前に、
リーダーもはっきりそう言った。
1Q84年から1984年に戻るための道はない。
その世界に入るドアは一方にしか開かないのだ、と。
それでもやはり青豆は、
自分のふたつの目でその事実を確かめないわけにいかなかった。
それが彼女のネイチャーなのだ。
そして彼女はその事実を確かめた。
おしまい。
証明終わり。Q.E.D.
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★「1Q84」Book2<7月-9月>後篇
村上春樹著 新潮文庫 550円+税 H24.5.1.第一刷 P.267~268より抜粋
ワンフレーズ・パクリだけど、
この部分を読んで吹き出してしまった。
ところどころでも感じるのだが、
春樹には、内田康夫同様なユーモアのセンスがあるようだ。
高田崇史という作家がいて、
この人の小説が、これまたとても面白いんだ。
オイラのお薦めは「QED ~ventus~ 鎌倉の闇」講談社。
義経ファンからはすっかり嫌われている源頼朝が、
ひょっとしたら高田崇史の書いた小説の通り、
実は悪い奴ではないのかもしれない。。
彼はこうした一連のQEDシリーズを手掛けていて。
きっと春樹も高田崇史のことを気に入っていると思われる、
これはオマージュだ。
無名な新人がこういうことをやるとヒンシュクを買う恐れがあるけど、
春樹くらい有名なら誰も文句は言わないし、
高田崇史氏も自身の宣伝になるので、これは実に愉快なのではなかろうか???
みんな書くにあたってスタイルは様々なれど、
読んでみると、小説ってとても面白いな。
若い人では、松岡圭祐(角川文庫)の各シリーズがなかなかイイ。
「人の死なないミステリー & なかなかタメになる知識 & 出てくる女の子が可愛い」
お薦め♪