冬山さんのブログ
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中華GPS北斗始動,沖縄とチャイナリスク,日は露印に接近図る
株とあんまり関係ないですが、せっかく思いついたのでメモを兼ねてこちらに書きます。あくまで思いつきです。
それぞれ独立した考えを並べただけなのであまりまとまっていませんがご了承ください。(長文すぎて誰も読まないでしょうけど)
冬休みのレポートに行き詰った学生さんが参考にでもしてくれるとうれしいです。
沖縄の基地負担を減らしつつ中国を意識した現実的かつ効率的防衛政策とは。
[結論]
在沖米軍基地を減らし沖縄の基地負担を軽減するには、米軍の再編の流れに合わせて、日本が哨戒機・潜水艦・対人地雷解禁・オスプレイ・その他輸送機・敵基地攻撃能力の獲得が必要であり、さらに潜在的同盟国(ASEANの多くの国やオーストラリア・インドなど)に対して特に日本への潜水艦をふくむ艦艇の寄港を活発化させ、補給時における便宜と、共同訓練などの防衛交流の活発化を図る。
また経済力は軍事力なども含めた国力の源泉である以上、日本は中国以外の国家との経済的結びつきを強くし中国一強となるような事態を必ず回避させていく必要がある。
ほかに極論として、日本が核武装するという手もあるが、核抑止力は必ずしも絶対的ではない可能性があるため、現実的路線である通常兵器による軍備は軽視できない。(日本が核兵器を持ったとして、場合によっては躊躇なく撃つというポーズを見せれるのか疑問がある。また弾道弾迎撃ミサイルの発達から核兵器の絶対的なアドバンテージは日々下がってきている。いつか戦術核のように抑止力を持たなくなってしまうかもしれない。)それに2011年の原発事故により核武装に対して国民の反対は一層強くなった。したがってこれは現実的路線ではない。
[沖縄は中国軍衛星誘導巡航ミサイルの射程内になった]
冷戦期に中国封じ込めを企図した第一列島線ならびに第二列島線という概念を見れば、冷戦期から日本の沖縄は最前線であり続けた。
沖縄本島を中心に各島嶼などへの負担を減らすことは重要である。
また米軍側にしても中国軍の急激なハイテク化を前に、第一列島線の特に沖縄周辺への集中配備はリスクが大きすぎる。
特に2012年12月27日に中国版GPSである北斗がついに稼働しはじめた。これの実用化ないし、ロシア版GPSであるGLONASSからの座標データをCJ-10(長剣10)陸上発射型/DH-10空中発射型(H-6K爆撃機が母機)などに代表される射程1500~2000kmを超える各種巡航ミサイルと組み合わされて使用されると、弾道弾よりステルス性が高く、またピンポイント爆撃に向いた特性から沖縄などの中国にかなり近い拠点は危険にさらされてしまう。
従来はたとえば台湾や沖縄の軍事的拠点を攻撃する場合は、命中率の低い弾道弾などによる大量投射が必要であり、中国としてもかなりのリソースを消費する非効率な手段だったが、巡航ミサイルなどによるピンポイント攻撃ならばかなり効率的な攻撃がすぐにでも可能になってしまい、しかも中国軍が将来的に併合もしくは傀儡化を企図している台湾・沖縄の非軍事目標への被害を少なくすることは、政治的なメリットもかなり大きいものであろうと思われる。
かねてから米軍にとって沖縄への一極集中は危険なものとなりつつあり、中国の沖縄への一撃があれば米軍は作戦能力を大幅に失うリスクが現実になってきたため、第一撃を受けにくいグアムないしはさらに後背の拠点への分散を図っている。
さらに財政上の必要もあり、米軍の韓国撤退が示すように、米軍による第一列島線から常備展開する軍事力の後退は積極的に起こっている。
だが近年の中国の覇権主義化は極めて重要な問題であり、特に日本の米軍基地でそれを意識しつつ戦力の削減を実現するには、第二列島線に後退配置した部隊を、有事の際には第一列島線へ迅速に展開できるような体制が不可欠であり、そこでは輸送力が重要となる、従ってやはりオスプレイなどの航空輸送能力が軸になる。
したがって、沖縄など在日米軍基地を減らしたいと思うのなら、オスプレイの反対は間違っている。
日本が戦略爆撃機や戦略的な弾道弾を持たない以上、ある種戦略兵器である潜水艦の増強、兵力による沿岸防衛・離島防衛を軽減する地雷の再配備、そして中国艦艇を監視できる哨戒機の増強、また敵国のミサイル基地ならびに空中発射ミサイル母艦の爆撃機を主とする敵航空基地攻撃能力の獲得は特に重要である。
だが中国側にとって特にオスプレイの配備は大変分が悪い事だろう。そのような背景もあってオスプレイ問題への水面の上下を問わない工作は行われているのではなかろうか。
[沖縄アイデンティティという沖縄分断策]
また、米軍基地の後退のためにも中国側による沖縄への工作は長らく続いていると考えられるが、これはアカデミックな領域でも近年顕著である。
それが沖縄アイデンティティをめぐる問題だ。先史時代の考古学や、言語学、民俗学における「沖縄(琉球)の人間は日本民族なのか?」(あるいは文化的に古代日本文化圏に入っていたのか)といった問題である。
そのほかにも社会学的手法を導入して、今現在の沖縄県人がどういうアイデンティティを持っているかという研究もある。琉球大学の林泉忠(リン・センチュウ)氏の研究、その中でも「沖縄住民のアイデンティティ調査2005-2007」はその最たるものだろう。
なお、政治学の立場からこういった中国側の覇権主義的な政策と、そのお膳立てとしての沖縄のアイデンティティを日本から分離させ、沖縄独立(琉球独立)論を後押しするような中国側の工作を暗に指摘する研究者では武蔵野学院大学の室本弘道氏の日米中関係に関わる各研究がある。(興味のある方はぜひご一読ください)
室本弘道氏 「2007年アジアの情勢から~特に日米関係を中心に」とくに列島線と沖縄に着目した論文
http://ci.nii.ac.jp/els/110007125717.pdf?id=ART0009062216&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1357045992&cp=
林泉忠(リン・センチュウ) 「沖縄住民のアイデンティティ調査2005-2007」とくに沖縄県民が日本人ではなく沖縄人としてのアイデンティティを持ち、沖縄独立論に着目した論文
http://www.archives.pref.okinawa.jp/publication/2.pdf
[中国指導部によると日本に沖縄は含まれていない]
かねてから中国は尖閣は日本の領土ではないという論を各所で展開し、沖縄(琉球)も正当な日本の領土ではないという発言も出てきている、そして最近ついに政府機関からもそのような発言があった。
2012年11月14日、モスクワにて露中韓三国が参加した国際会議「東アジアにおける安全保障と協力」にて、中国外務省付属国際問題研究所の郭宪纲 (ゴ・シャンガン)副所長は「第2次世界大戦後、敗戦国日本の領土は北海道、本州、四国、九州4島に限定されており、こうした理由で日本は南クリル諸島、トクト(竹島)、釣魚諸島(尖閣諸島)のみならず、沖縄をも要求してはならない」と発言。
"反日統一共同戦線を呼びかける中国"としてVoRでも報道された。幸いにして、ロシアはこれについて中国とは距離を取る姿勢を見せたものの、中国にとって国際法はきわめて弾力的に解釈するものであることが明らかである。
[ロシアにとっての中国とインド、そして日本]
またロシアは中国と有効性を見せたり、対立性を見せたりと様々だが、極東ロシアではダマンスキー島事件の前例もあり、潜在的対立は続いているだろう。
さしあたり経済関係においては極東ロシアが中国依存にならないように方策を取ろうとしているように思える。
軍事的な関係も時折、共同軍事演習は行うものの、一部の高性能な兵器は決して中国に売却しない方針が読み取れ、中国が強くなりすぎないようにパワーバランスを重視している。特に中国・インドの対立関係から、中国とインドのパワーバランスで決して中国が強くなりすぎないようにしている。
その最たるものが空母艦載機であるが、前年就役した中国海軍の空母遼寧は元々ソ連の空母ワリヤーグだが、これはソ連が冷戦後崩壊して再独立したウクライナから買ったもので、その艦載機は中国はロシアからの購入を願ったが、決してロシアは中国に艦載機を売らなかった。(結果ウクライナに残っていた試作機を買い取って自力で開発することになった)
一方、ロシアはインドにはさまざまの兵器を売り、艦載機も積極的に売っている。(これはインドがロシアにとって脅威にならないような位置にあるというものもあるのだろうが)
また、ベトナムが中国人民元を基軸通貨とする元経済圏に取り込まれつつあるのと同様、極東ロシアもその危機にある。(バスケット通貨とはいっても、資源価格にきわめて左右されやすい結構不安定なルーブルに比して、公式には否定していても為替レートを操作している人民元が流通してしまうと極東ロシアも徐々にベトナム北部のようになっていく可能性もあるかもしれない)
だからこそ家電類はある程度致し方ないにしても、自国の自動車産業が荒廃する一方で中国自動車が流通してしまうことはロシア経済にとってもまずいので、中国以外の自動車メーカーの極東ロシアへの進出を積極的に後押ししているのだろうし、北方領土を早期妥結してでも対日関係を良好にして、LNGなどの化石燃料の安定的な輸出先としての日本を重要視していると考えられる。
資源価格の低迷により、連動して安くなってしまったルーブルをある程度高い水準に戻す特効薬として、日本へのLNG輸出は最高の手段であるはずだ。
極東ロシアの発展はプーチンの重要政策の一つだが、それを実現するには相当の投資額が必要であるにもかかわらず、近年の極端なルーブル安は非効率的すぎるからだ。
[日本にとってのロシアとインド]
中国は文化的にも近い国家だが、政治体制は全く近くない。独裁国家で覇権主義的傾向を見せている以上、現に発生したチャイナリスクにみるように経済的に深い交流はそれを人質にして外交的目的を押し付けてくることは大いにある。特定の一企業の問題ではなく、国家単位で考えても中国とばかり経済交流を深めてしまっては、中国ばかりが経済発展することにつながり、経済力は国力の根源であるから、中国の覇権主義を支援することにもつながってしまう。
したがって中国との政治的にも経済的にも交流が重要ではあるものの、ロシアやインドといった中国とは異なる大国との交流をもっと深めていかねばならないだろう。
インドは民主政治的で日本と親和性が高く、対日感情もかなりよい国家である。またカシミールなどで中国と対立しているという背景も無視できない。日本にとってはチャイナリスクの解決策の一つとして注目されてきたが、発達が中国に比べて遅く、日本に製品を輸送する場合のコストから中国に比してあまり活発な投資は行われていなかったが、中国の沿海部が十分に発達したためようやくインドが強く意識されるようになってきたように思う。
すでにバングラディッシュで広く行われている成功パターンと同様に、繊維産業はインド亜大陸に最も向いた産業の一つであり、ほかに100円ショップの製品をみてもかなりインドやその他東南アジア製も増えてきている。(だが中国と違って生産国がそのまま消費国になってくれるかという課題はあるように思うが)
またインドは都市部ではIT産業のほか、自動車産業も発展を続けて言っており、自動車と関連性の高い鉄鋼業も発達が著しい。また地方や郊外では衛生水準が低いという問題があるが、これも石鹸などの衛生品の普及とともに、近代的なインフラを整備しようとしている。
日本に友好的な国家の発達は、日中関係において中国への牽制にも役立つだろう。また日本の重電メーカーや、商社にとってまだまだフロンティアであり続けている。
ロシアを見ても旧共産圏ということで中国との友好関係はあるものの、同時に冷戦下であろうと中国と軍事衝突を起こしたこともあり中国への警戒感は強い。
目先の問題では日本はすぐさま原発再稼働はできない中で、円安が急激に進んでくると、電力を火力発電でしのがなければならない以上、化石燃料の輸入コストは大幅に上昇する。
石油価格の低迷と、空前の円高でなんとかやっていたが、LNG輸入コストは今後どんどん上昇していく危険が高い。前述の理由と合わせてロシアが日本に急接近することは互いにとって重要なのである。
砕氷船まで用いての北極海航路(北回り航路)の商業的可能性(航路が短くコストが結構安くなる可能性)も含め、LNG船によるロシアないしロシアを介した対日LNG輸出を日本の商社とガスプロムが実証。
将来的には一部に言われるようにサハリン(樺太)から北海道へガスパイプラインの敷設が実現するなら商社を代表に各日本企業は大活躍するだろうし、ロシア側もインフラ敷設するときに関連企業に恩恵を与えたいはずだ。だから私はアヴィスマに注目している。プラントやパイプラインさらに海水淡水化の触媒などでチタン合金の需要は大きいからだ。
将来的に温暖化になれば、前述の北極海航路は砕氷船の必要性も薄くなってさらにコストが安くなることはもちろん、現時点では亜寒帯~寒帯である沿海州は有益な農地になるといわれている。その点ではかねてから言われているようにウクライナから西部ロシアに続く穀倉地帯にあわせて新たな穀倉地帯となりうる極東ロシアに注目すべきだ。中国の農業が輸出産業化した時と違って、人口密集が低く、現時点でほとんど開発されていない沿海州は最初から大規模機械化農業を導入できるかもしれない。それに先んじてインドと同様に大規模インフラ事業の需要があるだろう。日本の商社と重電メーカーに注目したい。(ただロシアは日本への過度の依存をしないようにある程度韓国に発注してしまう可能性もあるかもしれないが)
[造船不況をどう乗り切るか]
産業的にも軍事的にも日本は中国を警戒して、ロシア・インドそのたオーストラリアやASEAN諸国に接近し、経済交流を深めるべく外交政策を打ってくるだろうと思われる。
また、極端な円高是正による、各種輸出産業の救済で、株価を見る限りにおいては鉄鋼セクターは回復してきている。当然自動車メーカーは目立った回復を見せ、業績的にも回復が顕著になったメーカーは多い。
ただ日本の造船業は、どうなってしまうのだろう。リーマンショック以降、どうしても少ない造船需要にもかかわらず韓国の自爆営業のおかげで日中の造船業も多大なダメージを受けている。
自動車運搬船などはいまでも需要を維持しているようだが、安倍ノミクスで造船業が回復されるかどうかが大変気になっている。
さしあたって艦艇事業はにぎわうだろうから、多分に思惑だが佐世保重工などはおもしろそうだが、タンカーなどの需要はどうなるのだろうか。ロシアはもちろん各国でのLNG開発から海運需要は上がるが、造船がどれほど増えるのだろうか?
財閥系造船はその辺ちゃっかりしていて造船会社ながら造船事業比率を徐々に減らしつつ、付加価値の高い造船へリソース集中はしているようだ。将来的にはブラジルなどで受注見込のメガフロートなどの建造につながるかもしれない。
だが、タンカーやばら積みが主の中堅造船は極めてまずいのではないかなと思ってしまう。
まとまってないですがこのへんで。
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