元祖SHINSHINさんのブログ
エロイカ
「Eroica」の意味を調べてみると、
イタリア語で「英雄的」という意味で、
「英雄」という意味の「 eroico」の女性名詞形。
音楽は女性名詞として扱われるので、一語で「英雄の音楽」 になるそうだ。
ベートーベンの交響曲第三番「エロイカ」がそうなんだと。
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あまり小説を読むのは好きではないのだが、
嫌い嫌いも好きのうちとは名言かもしれない。
その小説が面白かろうがハズレだろうが、
それがどういう構成でできていて、
どういった背景でその作家が筆を走らせるにいたったのかという点に、
オイラの興味は集中する。
夢枕獏氏は、もう遊ぶ時間もないくらい執筆に時間をとられていると、
あっちこっちでしばしば嘆いている。
これだけ当たっているのだから、少しは休めばいいのにと思うのだが。
陰陽師について、なんといわれようとあの構成を変えるつもりはないと言った。
他の連載もあってそれだけ忙しいのだから、
仕方がないと思われる。
また、他のハードな表現だって書けるんだといって誇示するところが、可愛い。
★「陰陽師のすべて」
夢枕獏著 文集ムック 1,200円+税 H24.11.30.初版
角田光代氏は、文体や構成スタイルを変えざるを得ないから変えてきたと言った。
苦しんだ挙句にたどり着いたスタイルは、
「個性を削ぎ落とした文体の方が、読者に早く伝わる」だそうで、
これによってとても自由になれたという。
★「日経プレミアプラスvol.2」
日本経済新聞出版社 695円+税 2012.11.5.初版
曽野綾子氏とその旦那の三浦朱門氏は
「難解な文章というのは、端的に文章力がない証拠」と断罪していた。
★「堕落と文学 ~作家の日常、私の仕事場~」
曽野綾子著 1,600円+税 新潮社 2012.4.20.初版
ということは、あの故小林秀雄氏、この二人にこきおろされそうだな。
(寂聴さんくらいかもしれないな、彼をかばってくれるのはw)
批評論文は小難しくって嫌になっちゃうのに、
対照的に講談CDがもの凄く面白いのは、その大きな証拠なのかもしれない。
「堕落と文学」は、半分まで今日読んだのだがとても面白い。
彼女が若い頃、どうして小説を書くにいたったか、
その当時の風俗と共に描かれていて、オイラには新鮮だ。
新聞連載の書き方とか、短編と長編の材料についてとか、
若い頃デビューした作家には必ず大きなスランプがやってくるとか。
文学は精神的なストリッパーだと言われていた風潮を、
見事にぶっ飛ばしてくれたのは石原慎太郎なのだとか。
このエッセイを読んでいると、
まるで曽野綾子氏のDNAを
チューチュー吸い取っているかのような読後感がたまらない。
他人のDNAを吸い取って楽しむという、
趣味の悪く盗人猛々しい獲髏射蚊に、
どうやらオイラはなっちまったようだ。
PS:文学で、他人の作品をそのまんまパクったらアウトだけど、
音楽の場合は、カバーソングとして利用することができる。
「Look Of Love」や「イパネマの娘」は、その代表だろう。
「You Know My Name」をカバーしたりアレンジして歌える歌手がいたら、
それは世界でそのまま通用するし、聴き手に与える衝撃は大きいかもしれない。
そしてそこから、改めて自身の歌を聴いてもらうきっかけになるだろう。
「Fake!!」と組み合わせると、イケそうだ。
しかも、それがハリウッドへの布石になるしね。
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