元祖SHINSHINさんのブログ
浅見さん、京の女は怖ろしおすえ
1980年、なんと自費出版にて「死者の木霊」でデビュー。
2007年、全著作累計部数が1億部を突破!
おいおい、すまんがチョット計算させてくれw
1冊500円としてだな、印税は発行部数の10%なことが多いんだと。
500円×1億部×0.1=50億円
更に原稿料が1枚につき3,000~60,000円なんだと・・・。
シリーズ最高興行成績だったという「カジノロアイヤル」じゃないけど、
こういう話を聞くと、正直ワクワクすると同時に、めまいがしてくる。
けれど現実は厳しくって、
芥川賞や直木賞をとっても消えていく作家は多い。
傑作なんてそうそう連発できるはずもないし。
オイラの知り合いにも物書きはいるけど、まず兼業しかない。
狙い目なのはこの小説家のように、
初めっから連作ものを狙うパターンだろう。
そんなに傑作でなくても、一定の面白さがあって、
安心して読め、しかもなおかつ必ず得るものがある作品。
★「壺霊(これい)」上・下
内田康夫著 角川文庫ミステリ 各590円+税 H24.9.25.初版
彼の作品を初めて読んだ。
TVでもそうだが、京都好きにターゲットが定められていたせいもあって、
オイラはまんまと狙い撃ちされたんだな。
なので、目字をみただけで読みたいと思った。
「第三章 紫式部の墓」
「第十七章 六条御息所」
京都新聞に連載されていたものに加筆して出来たという。
読んでみると、この作家には少し茶めっ気があって。
神社・仏閣だけでなく会社や建物、飲食店まで全部実名なので、
リアル感があり観光気分もたっぷりと味わえること。
この作品ででてきた企業名は、
95%くらいが高島屋で、一か所だけマツキヨも出てくる。
主人公の浅見という旅雑誌の記者が、
京都の高島屋「ダイニングガーデン京回廊」を取材するというのが表向きの設定。
そこに出てくる飲食店も全部実名。
他にもイノダコーヒ本店も出てくるし、和菓子の名店なんかも。
たくさんの実名が出てきて、地理にも詳しく面白い。
そこへ、「紫式部」と命名された高価な壺をめぐって、ミステリーが展開される話。
登場人物が多いのが少し難点かもしれないが、
みなそれぞれ人物描写が優れているので、誰もが想像を豊かにさせられるだろう。
残念なのは、この小説には音楽が全く描かれていない点だ。
村上春樹は、音楽をうまく利用することで有名だというのに。
なんでここにエコシステムを流してくれないのかな、バカッ。。
PS:「浅見光彦倶楽部」というのが長野にあるらしい。
ちょいと参加して、内田康夫氏を落としてみたくなったな(静笑)
PS2:壺って壺坂の壺じゃん。
PS3:「こ」って狐も「こ」だし。
伏見稲荷に「こっちこっち」などと、呼ばれてる気がする・・・。
PS4:あー、題字の文句は作品で出てくるんだな、チャンチャン♪
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