数年前だったか、
関西で住宅ローンの支払いに遅延を生じた老姉妹が差し押さえにあい、
焼身自殺しまうという事件があった。
何か手立てがなかったのかと思っていたが、
少なくとも二通りの手段があるとわかってきた。
ひとつは、このあいだTVで放映されたのだが、
こうした個人の不良債権を引き取ってくれる不動産運営会社が出現したということ。
この不動産会社が該当物件をいったん買い取り、その後は売主に住み続けてもらう。
売主に転居のめどが立ったり、死亡するなどした場合に
その住宅を不動産会社が運営ないし処分するというもの。
類したものに、各市町村が同様な方法をとっているところもある。
オイラの親戚は渋谷に昔から大きな家を所有していた。
その親戚には子供がなかったので、親族一同、相続はどうなるのかと期待していたのだが、
その夫婦は家屋と土地を渋谷区に寄付して、
死ぬまで渋谷区に面倒を見てもらいながら過ごすことができたという事例。
オイラ達、親族関係者にとっては肩すかしだったが(笑)、
なかなか良い方法である。
もう一つは、銀行が一番恐れている金融庁に駆け込むという手法。
これはオイラが勤務している店の、右翼系顧客から仕込まれた方法だ。
この顧客が金繰りに貧しているとき、住宅ローンを負かそうと銀行と交渉したがままならず、
しかもその対応が激悪だったということで金融庁に電話で掛け合った。
彼は用意周到に、金融庁のキャリアが電話に出る時間を探り当て、
詳細を伝達し、そのキャリア担当者からトラぶっている銀行へ直電を入れさせ、
まんまと有利な交渉が成立したのだという。
銀行の信用創造という打ち出のイカサマ小槌は、
実は金融庁がカギを握っていると書籍で読んだ。
銀行が所有している現金の何倍を貸し出せるのか、その比率を決めているのは金融庁なので、
銀行が金融庁に睨まれるとエライ目にあうというのだ。
この比率は金融庁の絶対命令なので、これを逃れることはできないという。
頭取の首など、実に簡単にブッ飛ぶということだ。
困った時の金融庁、覚えておいて損はないのだ。
話は変わるが、この金融庁のパワーを垣間見たとき、
件の住宅ローン改革(なんでもかんでも0.5%へ強制変更)を行おうと算段したとすると、
この金融庁を抱きこめば、実に簡単に話が進む可能性がある。
不動産やハウスメーカー団体、あるいはそれを公約にしようとする政党には、
是非検討してほしい。