健康法の類の本を読むのが結構好きである。そして今まで色々読みあさってきて,おおよそこの辺りが最大公約数であろうと判断するのは,次の項目である。
1 バランスの良い,適切な分量の食事
2 適度な運動
3 ストレスを溜めない
4 禁煙
現代日本人はとかく食べ過ぎや運動不足の傾向があり,1・2が基本。そして,これまた現代日本人という特性から来るストレスが根本原因となっている疾病は数多いように思う。この因果関係について疫学的な調査研究結果を待っていたら,その結果が出るはるか前に寿命は尽きてしまうだろう。よって現段階では「ストレス --> 様々な病気」仮説で十分,というのが私見である。
さらに,健康な状態は目的というよりも,最終的により良い人生を送る手段であるとするならば,上記の1〜4を心がけ継続しようという別の何かが欠かせないはずだ,ともかねてより考えてきた。
やはり,出ましたね。それを取り上げた本が。
白澤卓二
『ガンもボケも逃げ出す「人生のテーマ」の見つけ方』
講談社+α新書,2012/4/20
要は,各人各様に自分の「人生のテーマ」を持っているからこそ,充実した毎日が送られ,その結果健康長寿を実現できた事例が多いという報告である。
ちなみに,同書で紹介されている「テーマ」を以下に列挙する。
ヨガ,瞑想,太極拳,ピラティス,気功,合気道,水泳,ウォーキング,サイクリング,ダンス,ボーリング,スキー,山歩き,旅行,釣り,ピアノ,フルート,語学,カメラ,カラオケ,料理,陶芸,習字,手芸,以後,将棋,ガーデニング。
わざわざ「人生のテーマ」というような新奇な言い方をしなくても,要は「趣味」であり「生きがい」である。とりわけ前半生会社勤めに自分の人生を重ね合わせて生きてきた方には,会社とは違う別の場所においての「テーマ」であろう。
<付録>
その時々で「一品健康法」「一品ダイエット法」の類が,飽きもせずに登場する。梅干し,納豆,鮫のナントカなどサプリメントの類,何でもいいのだが,何かしら一品(が結構高価である場合も少なくない)を摂取し続けることにより,劇的に健康状態が改善される・痩せられるというコンセプトの,少々オツムに難がある怠け者の耳に心地良く響く健康法あるいは商売である。
私には新興宗教と五十歩百歩ぐらいにしか思えず,真面目に取り上げるような対象ではない。お好きな方はどうぞ。以上。