「55歳からのハローライフ」

kfjさん
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現在共同通信が地方紙に配信している,


村上龍「55歳からのハローライフ」


を毎日興味深く読んでいる。


連作小説と言えばいいのだろうか,今まで三つの中編が書き継がれてきていて,それぞれ五十歳代の登場人物に重複はない。一作目は婚活をする女性,二作目はリストラされた元編集者とホームレスに近い生活を送る中学時代の元同級生,そして現在進行中の三作目は,再就職に苦労する 58歳の元営業職。


やはり一流の作家によるストーリィ展開,人物・情景描写はなかなかのもの。気持ち悪い場面では,しっかり気持ち悪くさせられる。(苦笑)


そして重ね重ね思うのは,「退職後,何とかなるだろう」ぐらいでは今時何ともならない,ということである。少なくとも,その可能性は高い。それをひしひしと感じさせられる,すぐれて今日的な一編だと思う。


なお先般,NHKのある番組が「50歳代のサラリーマンの7割は,セカンド・ライフについて何も考えていない」という調査結果を伝えていた。会社で要職にあり忙しくその暇やゆとりがないのか,会社員として養殖され続けて「生け簀」の外の人生について想像力が働かないのか。


まあど~でもい~けど。

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