水虫とは、どうしてミズムシと読むのであろうか?
夢枕獏氏だったら、きっとミナムシと読ませたのではなかろうか?
語源に関係があるのだろうか?
そう思って広辞苑を引くと、白癬菌の記述は三番目になっており、
一番目と二番目には、田にいるミドリムシみたいな虫かいな?と思わせるような記述があった。
たしかにそこからは単純に、水の中にいる虫という連想になる。
がしかし、そこから白癬菌に辿りつくのは、なかなかな謎だ。
ところで白癬菌とひと口に言っても、
オイラの経験や商売がら会得した実感では、単純に二つに大別できるのであった。
「かゆい」水虫と「かゆくない」水虫。
どうも「かゆくない」水虫の方が、厄介に思える。
かゆくない場合、足の裏が全体的に白っぽく粉をふいたようになっており、
皮が厚くなったり、めくれてきたりして、とにかく汚らしい。
誰でも初めは、ヒビケアのような市販医薬品を試すのだが、
一向に改善がみられないものだ。
で、かゆくないので何だかんだ長年放置しておくと、
やがてその「かゆくない」水虫は足の爪にまで達し、
爪が厚くなったり、色が黄ばんできたり、とうとう巻き爪となってエラク痛い思いをするに至る。
もっと悲惨なことには、そんな「かゆくない」水虫君が
主人の手をつたって頭にでも達しようものならば、
ジワジワと脱毛が始まってしまうのだ。
この白癬菌は、たんぱく質のケラチンが大好物で、
ケラチンは皮膚や毛髪の構成元だ。
それがムシャムシャと喰われてしまうのだから、
皮はむけるし、爪はもろくなってそれを補うために厚くなりだし、
しかし物理的な脆弱性を克服できずに曲がりだし肉に食い込み始める。
そして、毛髪も同様にもろくなって細くなり抜けやすく、
毛根部に達してしまえば、毛根も喰いつくされるのではなかろうかなどと想像している。
もう随分と多くの顧客に、こんな話をしながら抗白癬菌薬を試してもらうと、
ほとんど全員が喜々として後日オイラのところへやってくるんだ。
「あんたの言うとおりだったよ、ものすごく足の裏がキレイになった!」
オイラ自身の体験が元になっているので、成功確率は抜群に高いのだった。
最近では、そんな流れでシャンプーにも抗真菌剤が含まれているものが増えてきている。
若いうちならば、足の裏に警戒すれば結果的に毛髪も助けることになる。
年取って気付いた時に、毛根が喰われていれば手遅れなのであろうか。
(只今、身をもって実験中だが・・・・)
神社と良縁をもって、良い式神を憑けるのはイイが、
風呂場や道場などで、うっかり水虫君を憑けてしまうのは実にいただけない。
ご用心、ご用心。。
PS:広範囲に及ぶ水虫君の場合、クリームよりも軟膏の方がお薦めだ。
軟膏はえらくベトつくのだが、広がりがイイので減りが遅い。
つまり、経済的なのだ。