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東北の被災地を訪ねる (4)

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石巻市立大川小学校


昨日午後偶々訪ねた釜石市立のある施設で,白髪の男性職員の方から,東日本大震災前後の状況について詳しい話を聞く機会に恵まれた。

同男性,出身は隣の大船渡市で,1960年のチリ地震津波(5月24日未明,最大で6mの津波が三陸海岸沿岸を中心に襲来,142名が死亡)を体験しているという。当時,おそらく10歳前後か。


> 俺はチリ地震津波で津波の怖さを体験しているから,津波警報が出れば10cmでも5cmでも高い所に逃げるしかないと考える。自然相手では絶対勝てない。ところが,たいしたことにはならないと高をくくり,自宅に貴重品を取りに戻ったり,地震の揺れで散らかった室内を片付けたりしていて逃げ遅れた人がいる。

> 冬期の避難訓練の時に,避難先に「ストーブが準備されていない」と愚痴を叩くような地域の顔役がいた。考え方が根本的に間違っている。


中学生・小学生・幼稚園児が整然と避難し,学校・園にいた生徒・児童からは全く犠牲者を出さず,「釜石の奇跡」と呼ばれた事例。同校は毎月避難訓練を実施していたという。片や,大川小学校。

判断力の当否が生死を鮮やかに分けた二事例ではある。

やはり普段から,

"Think unthinkable." 
「想定外を想定せよ」

を心と頭に留めておく必要を改めて思わずにはいられない。



2件のコメントがあります
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    kfjさん
    2012/4/1 06:28


    『中央公論』のレポート,比較的よくまとめられていると思いますが,教員・児童の避難行動に大きな影響を与えたとされる「行政区長」について言及がされていません。他のメディアでも同様の傾向が見られ,現地の何らかの事情が働いているのかも知れません。

    大川小学校の大人災を引き起こした要因やその後の学校・市教委の無責任・不誠実な対応は,他の学校にも潜在的に存在しうる要因であるということに,元関係者として慄然とします。もちろん公平を期して言えば,「釜石の奇跡」もまた教育のかくかくたる素晴らしい成果です。

    その「潜在的に存在しうる要因」,つまり判断力・行動力,それら総体としての決断力の欠如,最終的な責任を負わない他人事としての職務遂行,自己保身さえ図れればよいとする小心翼々の気性,などなど。

    ●●に付ける薬はありません。また死んでも治りませんが,とりあえずは教職をさっさと退いていただくのが最良・最善の解決法。

    さらに一般論で言えば,お付き合いを避けるのが最適解。


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    kfjさん
    2012/4/1 08:14
    大川小学校校長(既に,元校長らしい)ら関係者が,なぜ業務上過失致死の罪に問われないのか? 百歩譲って,処分さえもされていない。誠に摩訶不思議。

    私如きが言う筋合いではないことを重々承知しつつ,「校長や生き残った教員だって,つらいのだから」などとうやむやに済まさず,起こった事態をできるだけつまびらかにし,責任を取るべき者が責任を取ることが,亡くなった子どもたちへの弔いになると思えてならない。
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