石巻市立大川小学校
昨日午後偶々訪ねた釜石市立のある施設で,白髪の男性職員の方から,東日本大震災前後の状況について詳しい話を聞く機会に恵まれた。
同男性,出身は隣の大船渡市で,1960年のチリ地震津波(5月24日未明,最大で6mの津波が三陸海岸沿岸を中心に襲来,142名が死亡)を体験しているという。当時,おそらく10歳前後か。
> 俺はチリ地震津波で津波の怖さを体験しているから,津波警報が出れば10cmでも5cmでも高い所に逃げるしかないと考える。自然相手では絶対勝てない。ところが,たいしたことにはならないと高をくくり,自宅に貴重品を取りに戻ったり,地震の揺れで散らかった室内を片付けたりしていて逃げ遅れた人がいる。
> 冬期の避難訓練の時に,避難先に「ストーブが準備されていない」と愚痴を叩くような地域の顔役がいた。考え方が根本的に間違っている。
中学生・小学生・幼稚園児が整然と避難し,学校・園にいた生徒・児童からは全く犠牲者を出さず,「釜石の奇跡」と呼ばれた事例。同校は毎月避難訓練を実施していたという。片や,大川小学校。
判断力の当否が生死を鮮やかに分けた二事例ではある。
やはり普段から,
"Think unthinkable."
「想定外を想定せよ」
を心と頭に留めておく必要を改めて思わずにはいられない。