今日午後,山田吉彦氏(東海大学海洋学部教授)による講演「海洋国家日本 〜 海の安全を考える」で聞いた話。
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通常の沿岸漁業従事者の平均年収は,270万円。養殖漁業だと,560万円。北海道紋別や根室など漁協が加工工場を併設し販売まで行っている漁業従事者は,1,000万円。ちなみに根室漁協には若い女性が多く働く。
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門外漢からは3Kの職場と見られかねない漁業でも,それほどまでに差が生じているのかと驚きを禁じ得なかった。従来の既存の枠内で既得権益にしがみつき続ける,片や知恵を出し工夫を重ねるのとでは,比較しやすいという理由でのみ年収を比較するのだが,収入に4倍以上(上記数値は平均ゆえ)も開きが出るとは。
しかも若い女性が多く働けるという雇用創出は,若い漁師が結婚し易くなるという客観的条件を整備する。それは収入増に留まらない,個人の幸福への多大なる寄与であり,引いては地域社会の振興へという良い循環につながっていく。
新しいアイディアの発案,それを実現していく決断力・行動力の有無が人生の明暗を分ける。そういう時代を私たちは生きているのだ,と改めて思う。