『新幹線の車窓から』という新書版の書籍がある。その書名からして,TV番組「世界の車窓から」のパロディ?と少し首をひねる辺りから,既にこの本の楽しさは始まっているように思える。
東海道新幹線の沿線に見られる,特徴ある建物や建造物,看板などを写真・解説さらに主要駅からの所要時間や新幹線にまつわるうんちく話で構成した,とても楽しい読み物である。
例えば,「東京タワー」のページからその一部を引いてみよう。
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引退間近?な東京のシンボル 東京タワー
のぞみ 東京から2分40秒
……2012年(平成24)年に東京スカイツリーが開業すると,テレビ塔としての役目を終える。勇姿を目に焼き付けておこう。
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何とも,とぼけたというか,脱力系というか,人を食ったような筆致が,良い味を出している。
同書とストップウォッチを携え新幹線の車窓から外を見続けた……のは私です……ら,金持ちになれるヒントが得られ,人格が高潔になり周りから尊敬の眼差しで見られるようになる。それは全く期待できないが,新幹線に乗る,もっと言えば人生の楽しさが少し増えるきっかけにはなるかも知れない。
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