日清紡HDは、自動車のブレーキ装置の基幹部品であるブレーキ摩擦材のメーカー、ルクセンブルクのTMDフリクショングループを4億4000万ユーロ(462億円)で買収するそうです。
同社にとっては過去最大級の買収案件であり、外国為替市場の歴史的な円高を追い風に、積極的なM&Aを仕掛け、ブレーキ事業のグローバル展開を加速するようです。
TMD社は、日清紡がブレーキ事業で生産拠点を持たない欧州やブラジル、メキシコなどに拠点を持つそうです。
両社のブレーキ事業を合わせれば、世界の主な自動車生産国をほぼ網羅でき、市場の補完性が高いようです。
また、両社は得意とする材料や生産方法が異なる上、日清紡が日系や韓国系の自動車メーカーに強いのに対し、TMDは欧州系自動車メーカーに強く、相乗効果が見込めると判断したようです。
日清紡のブレーキ事業は傘下の日清紡ブレーキを中心に、日本や北米、中国、韓国、タイ、インドに生産拠点があるそうです。
TMD社の買収で、日清紡は自動車ブレーキ用摩擦材の世界シェアが15%超と首位に立つようです。
このニュースを見るまで、日清紡がブレーキ事業をしていることさえ知りませんでした。