Steve Jobsの退任に思う

kfjさん
kfjさん
過日,Steve Jobsが Appleの CEOを退任すると新聞が報じていた。20年来の Mac愛好者としては感慨深いものがある。 

そして思い出したのが,2005年6月12日,スタンフォード大学の卒業式で行った彼の記念講演である。 


> 皆の時間は限られているから誰か他の人の人生を生きることで時間を無駄にしてはいけない。教条主義の罠にはまってはならない。教条主義とは他の人々の思考 の結果に従って生きることだ。他の人の意見という雑音に自分自身の内なる声をかき消されないようにしよう。そして最も重要なことは、自分の心と直感に従う勇気を持つことだ。心と直感は本当になりたい自分をどういうわけか既に知っている。その他すべてのことは二の次だ。(Everything else is secondary.) 

> ハングリーであり続けろ。愚かであり続けろ。 (Stay Hungry. Stay Foolish.)


私が前職を退く際,私の背を押すものがいくつかあった。その一つがこのジョブズの講演である。 

彼は,2004年,49歳で膵臓癌の手術を受けた。その出来事が色濃く反映した上記の講演内容には少なからず心を動かされた。つまり,余計なこと,意に染まぬことをやっている暇など無いということである。 

ものごとをよく見て沈着冷静に行動することは大切だが,その一方日常的な身の回りのことだけ,自分を中心とする半径10数mのことだけに捕らわれて人生を終わるのも,私に言わせれば愚かだ。 

ちなみに,余計なことを意識的に排除するという積極的な姿勢を持っていないと,ついついそうしたガラクタの類が日常生活を侵食しがちになるのではないか,と最近思っている。 

さて数日前,知人の70歳代の元校長とスポーツ・ジムの浴場で会った。話の流れからいつまでも触れずにいるのも不自然だったので,今春退職した旨を告げると大いに驚かれた。そして彼が示した反応は,次の3点である。 

1 これからという時期にもったいない。 
 ※ 注 学校教員の出世組は,概ね50歳代で教頭〜校長を務める
2 よく,思い切った。 
3 早期退職で年金はどうなる? 

ジムの浴場で顔を合わせると世間話をする程度の関係なので,そう立ち入った話にはなるべくもない。ただすぐさま率直に,年金の話題に及んだのは興味深いものがあった。それだけ退職者の一大関心事なのだろう。 

60歳で定年退職するよりも,年金を掛ける年数が7年短くなる分相応に年金支給額は下がる。その「下がる」のを選ぶのは,一般世間では「愚か」ということになるのだろう。 

大いに上等である。 


4件のコメントがあります
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kfjさん
☆株はがまんさん

いややはり,Steveの言う通りだと思いますよ。

「心と直感」の程度が人それぞれである以上,自ずと「知っている」程度も人それぞれには違うでしょう。例えば,自分自身よりも周りのことや他者からの視線ばかりに気を遣っていると,内なる声をつい聞き逃してしまうのでしょう。

心身の好調・不調にしても,普段から関心をもっていると微細な変化に気づき早めの対応ができるし,そうでないと医者に「なんでこんなになるまで放っておいたのですか?!」ということになる。

彼が禅宗の修行を受けた内省の人であることを踏まえて彼のことばを読めば,十分納得できます。
>そして最も重要なことは、自分の心と直感に従う勇気を持つことだ。

>心と直感は本当になりたい自分をどういうわけか既に知っている。

kfjさん
☆島さん

資産運用同様,人生をリスクに晒すことにより従来以上のリターンを目指すということです。

一度きりの人生,思いのままに生きず悔いを残すのは嫌ですから。
(^_^)/

島次郎さん

ぶら下がりの道を自ら断ったということですね。

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