長くなってしまうので、回数分けてのエントリーです。
誰もが放射線について疑心暗鬼になっている状態の中、やはり福島県のスーパーには県内産の食材が溢れていました。線量が高くて有名な地区の桃も、「例年の半額!放射能の検査済みなので安心です!!」という札と共に堂々と売り場に並んでました。
おそらく国が決めた暫定基準値は下回っているのでしょうけど、その基準値が世界的に見てどれほど高い数値なのか、どのくらいの人が知っているのでしょう?
福島県は過疎化が進みつつある地域が多く、若い世代がいないからネットはなくて情報源はTVと新聞くらい、という世帯も多いです。(もっとも、ネットの情報があれば良い、というものでもありませんが)
TVでセシウム牛の報道を見ていると、基準値さえ下回れば安全、といったような印象を受けますが、そもそもこの暫定基準値を私は信用できません。
チェルノブイリ事故で国土が汚染されたベラルーシでは、子供の食品の基準は37Bq/kg。しかし日本の暫定基準値は乳児から大人まで一律の数値で、放射性セシウムだけで500Bq/kgです。
ヨウ素131は3月に放出されたものは既にほとんど崩壊しているので、今はあまり考えなくて良いとしても、基準値が2000Bq/kgだったというのは驚くべき数字。
半減期が短いのを良いことに、数値の正当性が議論される前に問題の核種の大部分が崩壊してしまい、うやむやに済ませてしまったように思えてなりません。
過去、水俣病やイタイイタイ病でも、後になって人体に明らかな影響が出てから問題になりました。
今回の放射能汚染も、同じように数年後に問題になる可能性が高いと思います。
ただし、有機水銀やカドミウムは人体で蓄積性があるので、ある程度時間が経っても分析可能で摂取量も推定できますが、放射性セシウムはそれに比べればかなり早く排出されるのと、放射線を出して崩壊した原子はなくなってしまいます。つまり証拠がほとんど残らないとも言え、どのくらい内部被曝したかを後から追うのは不可能に近いでしょう。
本当に内部被曝量を把握するには、ホールボディカウンターでの測定と尿検査などのバイオアッセイと食生活についての聞き取り調査を組み合わせた健康調査を、継続的に行わなければならないはずですが、今の段階でそれは行われていないし、今後やるという話も聞きません。
結局 放射線の影響との因果関係はわからず終い、となって泣き寝入りするケースが多く出てきそうな予感がします。