母犬さんのブログ

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迷いながらも… 福島への帰省 (1)

お盆休みで、義実家のある福島県に行って来ました。

福島といっても内陸の方なので、津波被害はなく、原発事故の影響も県内では少なかった所です。3/11の揺れは震度6弱でした。

原発事故の影響が少ない方だったとはいえ、小さな子供たちを連れての帰省は躊躇しましたが、
・食べる物には細心の注意を払う
・土や砂がからむような外遊びはさせない
ことを前提に、短期間なので行くことに決定。結果的には、色々と考えさせられる帰省になりました。

義実家は地震で壁にヒビが入ったり、当日は物が壊れたり散乱して大変だったようですが、今は外見上、言われなければ被害があったとはわからないような感じです。

でも、近所を歩くとあちこちに段差やひび割れ、崩れ落ちた川岸のコンクリートや浮き上がった水路などがあり、地震の破壊力を垣間見たような気がしました。
未だに立入禁止になったまま手つかずの場所も多くあり、おそらく箇所が多過ぎて自治体でも手が回らないのでしょう。

ただ地震の被害もさることながら、やはり地域全体に暗い影を落としているのは原発事故なのだと思いました。

スーパーに行くと、野菜果物魚介類などの生鮮品は、遠い産地の物から順に売れて行くのです。
牛乳売場でも、北海道牛乳はすぐになくなり、地元産は大量に売れ残っているのが一目瞭然、そんな状態でした。

例年ならこの時季は桃やブドウなどが美味しくて、帰省するといつもどっさり出してくれたものですが、今年はさすがに一切なし。残念ですが、仕方がありません。
でも義母も気を遣って、出来るだけ遠方の食材を仕入れて来てくれたのは、とてもありがたかったです。

我々家族は、自宅に帰れば屋外の線量が低いのでまだ良いのですが、子育てしながら福島でずっと暮らすのは本当に大変だろうと思います。

放射線は目に見えない、それはもちろん理解しているのですが、実際に一見これまでと変わらないのどかな風景を目にしていると、ふと原発事故などなかったかのような錯覚に陥ってしまいそうでした。

〜 今回、思ったこと 〜

食べ物については、主食の米や色々な農産物が採れる来年以降の方が、今よりもっと危険が高くなっているはず。ただ、この先何年も、いや何十年も?ずっと危機意識を保ったまま生活してゆくのは、普通の人には相当難しいと思います。

チェルノブイリ事故でも、最初は色々と気をつけていた人達が、時間と共に緊張を保つことに疲れてしまい、汚染された食べ物に注意を払わなくなってしまった。そして何年か後に、子供たちに甲状腺ガンなどの異常が現れて改めて後悔した…というのは有名な話です。

日本でも、今は原発事故から日が浅く皆が怯えている状態だけれど、今後事故が収束に向かい報道も少なくなり、徐々に現状に慣れてゆくと…まさに『ただちに影響はない』ことから、今まで気をつけていたことがなし崩し的に守れなくなってゆくような気がします。

そんなことにならない為にも、避難エリアは線量に応じてきちんと見直し、例え経済的な理由等で大人は避難できなくとも、妊婦・子供たちは優先的に避難させるべきだと改めて思いました。
2件のコメントがあります
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    為替少年さん
    2011/8/16 10:35

    おっしゃる通りですね。

     

    「ただちに影響はない」 と政府・東電は言いますが、5年後・10年後にガンを発症する人が増加したときに、なんていうのでしょう。

     

    「ただちに影響はないと言ったが、将来の事に言及はしていなかった」と逃げるのでしょうね。

     

    国に守ってもらうというのは、もはや無理な話で、自分で守らなければいけない。

    そんな悲しい国家になってしまったようです。

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    母犬さん
    2011/8/16 18:45
    為替少年さん

    コメントありがとうございます。

    私は帰省前に、自分の時間が許す限り汚染実態の下調べをし、放射性物質を取り込み易い食品の種類なども頭にたたき込んで、いつもより危機感を高めて訪れたつもりでした。

    それでも やはり慣れとは恐ろしいもので、たった数日の滞在のうちに、なんとなく『う~ん、まあこの位なら大丈夫かも?』という気分になってしまいそうで、それがとても怖かったです。

    国は国民の安全を第一に考えているのではなく、『ここまでは何とか補償できそう』なところでラインを引いているように思えてなりません。
    福島市は県庁所在地だし、この辺りの規模の市民まで避難させてしまうと行政の機能もマヒして補償額も膨大になってしまう為に、無理矢理ガマンさせているとしか思えないです…。
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