「○○政経懇話会」なる講演会に出るため,最寄りの駅から会場の○○新聞社までタクシーに乗る。
620円。
五千円札と120円を出すと,「釣りがない」と運転手。
「細かいのは無いか?」
「無い(から,こうして出してるんだよ。千円札を用意せずに仕事しているのか?!)」
運転手は周囲を見渡し道路の反対側にローソンを見つけると,「両替に行ってくる」。
4車線の道路を別段急ぐ風も無く戻ってきた運転手,私に 400円を差し出す。
「あのね,私が出したのは五千円札だよ」。
ちょっとしくじったかというような表情を浮かべて,あわてて千円札を 4枚加える。
「私はさっき 5,120円渡したのだから,お釣りは,4,500円でしょう」。
少し怪訝そうな顔をしながら,さらに百円玉を足す。
その間,「お待たせしました」「失礼・・・」「ありがとう・・・」などの言葉は一切無い。
個人投資家稼業を始めてからタクシーに乗ることが増えた。この間運転手のサービスで感心することも無いではないが,うんざりすることの方が多い。「サービス業従事者がそういう言動をとるか?!」である。
コンビニのアルバイト店員の方が規格化されていることもあり,はるかに良質である。
そう言えば米国内を旅行したとき,移民してきて程無いとおぼしき有色の運転手が感じが一般によく,白人は概して質が悪かったことを思い出す。
懇話会終了後午後二時過ぎの炎天下,30分間歩いて辿り着いたターミナル駅の前には,所在無げに客待ちをする数十台のタクシー。
タクシー業界が色々大変なのは私も少しは知っている。ただ全く他人事ながら,「もっと頭を使って営業努力をしろよ」と慢罵したくなった。
一昨日の新聞報道によれば,約六人に一人は貧困化という現状。そうした世相にあって,社会の一部は明らかに劣化しており,その方面から思いもかけない被害を蒙らないよう気をつけたい。