明治時代、日本は脚気論争に沸いていた。
何しろ当時、脚気の原因が何なのか、皆目不明だったという。。
1 伝染病説、 2 中毒説 3 栄養障害説
しかも、脚気の人間は、ある日突然に他界してしまうのだった。
どうやら心不全を起こしていたらしい。
戦闘での死亡者より、脚気で死んでいたものの方がはるかに多かったと。
オマケにこの問題には、陸軍と海軍とのメンツ争いも手伝っていたから複雑だ。
白米オンリーの食事をとっていた日本軍には、脚気が多発していたが、
パン食や玄米・麦食をとっていた、欧米やアジア諸国には脚気の多発がなかった。
このことから、明治天皇を始め、何人かの識者は白米オンリー食が問題だろうと気づいていたそうだ。
しかも、海軍が麦食を取り入れ、脚気の激減に成功。
しかし、当時の軍医であった森林太郎(鴎外)が主だって、白米食にこだわった。
☆麦食派 明治天皇、海軍、陸軍の一部
☆白米派 森林太郎、陸軍の大半、東大医学部
そんなこんなでコジレテいるうちに、
明治33~昭和10年まで、毎年1~2万人推移で、脚気で他界する人多数という状態。
皮肉にも昭和14年、食糧難によって白米の供給がままならず、
七部づき米・玄米になってから脚気が改善しだし、
最終的に、ビタミンB1の合成によって、脚気は更に激減した。
そして平成元年、脚気で死亡した人は、たったの5人なのであった。
★「病気の近代史」
秦郁彦著 文藝春秋 1,762円+税 2011.5.25第一刷
第二章 脚気論争と森鴎外
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なにやら、現代の放射能論争と状況が似ている。
何が本当なのか、今のところ誰にもわからない。
広島・長崎のデータや、チェルノブイリのデータを下敷きにして
安全だという学者もいれば、
そうしたデータ自体がそもそも捏造されているのであって、
お話にならないほど実は危険なのだという学者もいる。
はたまたR・コシミズ氏のように、
3.11が海底核爆発による人工地震なのであるから、
福島原発は元々安全なのであり、
放射線汚染水を海底に捨てたのは、地下核爆発の放射能をマスクするためだという説もある。
何が本当なのか、誰にもわからない。。