今回も過去の日記の纏めです。
<衝動買いは厳禁>
まずは投資の基本をもう一度確認しておきますが
特に以下の四点は基本中の基本なので、一つでも欠ければ後悔の山を築くことになるでしょう。
①マイ・ルールを決めておく(ロスカット・利確の基準など)②資金管理を怠らない③常に余裕資金を残しておく
④売買の事前準備に時間を割く(個別銘柄の場合は決算書やチャートの確認・同業他社との水準比較など)
ところで売買の経験が未熟な段階で犯し易い過ちに衝動買いがあります。
しかし衝動買いはただのギャンブルに過ぎません。
丁半博打なら勝ち負けは五分五分ですが、株の世界は株価を動かす側が圧倒的に有利ですから
衝動買いをする個人投資家に勝ち目はありません。恐らくそんな人の明日はこうなります。
衝動買い → 資金減少 → 懲りずに衝動買い → 資金半減 →
一気に取り戻そうと一か八かの一発勝負 → 資金が底を突く → 細々とボロ株買い
後はボロ株(会社)の倒産または上場廃止を待つだけ。そして敢え無く退場!
損切りを惜しむ人にも同様の結末が待っています。
資金100万円→10万円は数日あれば充分ですが、10万円→100万円は何年頑張ってもまず不可能です。
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<過度の期待や下手な予想も厳禁>
投資家は個別の銘柄に期待したり業績や株価の予想をしますが、そこに落とし穴があります。
但し期待や予想をすることが悪いのではなく、思い込んでしまうことが危険なのです。
つまり買いたいと思う気持ちそのものが市場の評価を上回る期待を産む恐れがあり
買いたい気持ちが強ければ強いほど個人的な期待度と市場の期待度とのギャップが広がります。
そうなると株を買ったその日から思い通りに上がらない株価に日々イライラさせられることになります。
そして期待が大きければ大きいほど「そんな筈はない」という気持ちが強くなり傷口が広がるのです。
結局株価は自分ではなく他人の考えで動く訳ですから、個人的な期待や予想はむしろ邪魔な場合が多く
素直に期待して良いのは唯一ポジティブ・サプライズが発表された当日だけでしょう。
自分の期待度と市場の期待度にギャップを感じたら、速やかに方向転換する(見切る)ことが重要です。
これが「見切り千両、損切り万両」と云われる所以です。
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<底値と買い時の判断>
株価が割安かどうかを判断する際に四季報などを見て
PBR・PER・BPSなどを参考にする人が居られると思います。
しかし実際はこれらの指標よりチャートや出来高を参考に売買しなければなかなか成果に繋がりません。
なぜなら株価を決める最大の要素は需給だからです。
例えばPBR0.5倍の銘柄でもそれが市場の評価である以上決して割安ではないということです。
また株価の高い安いは相対的なものですから
同業他社との比較や月足で現在の株価水準を確認することも大切です。
因みに短期投資を除いて売買の基本は月足で株価の水準(過去からの流れ)
週足でトレンド、日足で買うタイミングをそれぞれ読むことになります。
次に買いのタイミングですが、もし底値で買えたとしたらそれはたまたま運が良かっただけだと思います。
しかし底打ち反転した銘柄はチャートからある程度予測出来ますからただの運ではありません。
つまり底値を見極めるのではなく、底値を脱したと思われる局面を見極めることが重要という訳です。
底値に拘ると買った後で下がった時に損切り・ナンピン・塩漬けの三者択一を迫られるので要注意です。
また短期投資ではチャートが全てと言っても過言ではありません。
買い時に関して大切なことはまだ有ります。
一つは辛抱することです。安いと思って飛び付くと高い確率で後悔します。
つまり大きく下がった株は最初に貴方が安いと感じた株価よりさらに下がる確率が高いと考える方が賢明です。
もう一つは一度に買わず数回に分けて買うことです。
打診買いから入れば株価が下がっても損失を最小限に抑えることが出来ます。
「売りは早かれ、買いは遅かれ」と云われる様に、慌てて買うとロクなことはありません。
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<企業の決算発表前は要注意>
企業の決算発表が近づくと(4月下旬~5月中旬がピーク)株価は業績に対する思惑で変動し易くなりますが
強いて云えば下がる傾向が強い様に感じます。
予想を遥かに上回る好決算なら勿論上がるでしょうが、まずまずの場合は横ばいかやや下げ
予想通りの場合はやや下げ、予想を下回った時は大きく下げ。
概ねこの様なパターンが多いのではないでしょうか。
この様な結果になり易いのは投資家が決算内容に期待する為で
好決算であっても想定の範囲内であればむしろ期待外れという訳です。
因みに材料出尽くしで下げるという場合も同様の投資家心理が働く為だと思います。
企業決算で最も注意すべきは、好決算であるにも関わらず次期の業績予想が前年割れした場合です。
好決算は何処かへ吹っ飛んで、下手をすると暴落です。
特に業績予想に慎重な企業は要注意です。
先程過度の期待や下手な予想は投資判断を狂わすというお話をしました。
自分が投資している企業の決算に期待する気持ちは解かりますが投資に感情は禁物です。
まして決算発表後に下げ易い傾向があるとすれば、期待するより様子を見る方が正解でしょう。
勿論貴方が保有している銘柄もそうなるという訳ではありませんが
「決算発表前は売り、買うなら発表後」と認識しておく方が賢明だと思います。
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<経営者とステークホルダー>
長年に亘って安定した利益を上げており、事業の市場性や将来性に特に問題は見当たらない。
おまけに技術力や開発力もまずまずで財務体質も健全。
それなのに何故か株価はパッとしない、そんな企業をたまに見掛けます。
こういう企業は多くの場合、企業体質(体制)やステークホルダーに問題を抱えている場合があります。
企業体質(経営体制)の欠陥はそのまま経営者の資質に繋がりますから
経営者が交代するまでは余程のことがない限り株価も低迷し易いと思います。
つまり経営が堅実なだけでは株価的になかなかサプライズが望めないという訳で
例えばPERやPBRなどの数値が慢性的に低い企業にはそれなりの理由があるということです。
因みに新興企業では稀に経営者の人気がそのまま株価に反映されることもある様です。
次にステークホルダーの問題です。
企業のステークホルダーは、顧客、株主、開発・技術・販売(流通)に関する提携先やグループ企業
さらには社員、取引銀行、仕入先、監査法人、幹事証券など様々で、企業にとって全てが貴重な財産です。
つまりどの様な企業や銀行が支援しているか、どんな企業と業務(販売・技術・開発)提携をしているか
どの様な顧客が付いているか、従業員の資質はどうか、などが企業の業績や将来を占う鍵になる訳です。
ですから銘柄を選択しようとする時は、チャート分析やファンダメンタルズを確認すると同時に
主要顧客、主要株主、提携企業、関連企業、主要取引銀行、従業員の処遇なども
可能な限り調べて置かなくてはなりません。